三十六話
弱点がわかればまずはおっさんの救出だ。
おっさんを抱えてる腕を切り落とす。
拳に水を纏う。
奴の肩を目がけて腕を振り下ろした。
硬い衝撃が拳に走る。
「おいおい、弱点分かったんじゃないのか。そんなんじゃ無理だぞ」
兵隊長は余裕の笑みを浮かべる。
そんなわけねーだろ。
フェイントだ。
肩にあてた拳から水の剣を創造する。
「なっ!」
余裕の笑みが焦りの表情へと変わる。
そのまま水の剣を肩の節めがけて振り下ろす。
驚くほど簡単に腕は切断された。
抱えられていたおっさんは鈍い音をさせながら地面へと落下する。
「貴様よくもやってくれたな!」
自分で弱点教えたくせに切れんなよ。
兵隊長は足を振りかぶる。
やばい蹴りが当たる。
そう思い受け身の姿勢を取る。
しかし
奴が蹴り上げたのは俺ではなかった。
おっさんだった。
おっさんの体が蝶のように舞う。
「おっさん!」
おっさんを救い上げようと体が動く。
何とかキャッチに成功するがひどい傷だ。
腹は穴が開いたように凹み吐血もしている。
早急に治療しなければ。
しかし、奴もいるどうすれば。
「グビリコ!私が戦う。だからその間におじさんを助けてあげて」
コークが俺の前にやってきて言った。
「ほう、お前が俺の相手を?ずいぶん舐められたもんだな。」
兵隊長の黒い光沢が怒りで赤く変色していく。
「私のこと舐めないでね。時間稼ぎ位はできるんだから!」
「やってみろ」
兵隊長は三本の腕で一斉にコーク目がけて殴り掛かった。
やばい!コークまでやられたら流石に
俺一人で三人を守りながらなんて.....
しかし
それは余計な心配だったようだ。
コークは身をひねり華麗に全ての技を躱した。
「どう?私でも時間稼ぎ位はできるでしょ」
得意気にこちらを振り返る。
「チッ。今のはまぐれだ次こそは殺ってやる」
そう言うとまた同様の攻撃を仕掛けてきた。
こいつ技のバラエティが少ないな。
コークも同様にして躱す。
「グビリコ!見てないで早くおっさんを治療して」
「あああーそうだすまない。」
やべぇ忘れてた。
早くしないと。
おっさんの腹へと手を当て、力を込める。
淡い緑の光が発せられる。
光が傷を癒していく。
凹んでいた腹が元の形へと戻り、吐血も収まってきた。
治癒したおっさんを抱え安全な通路の端へと運び込む。
「グビリコ危ない!」
コークの声が響く。
なんだ?
振り向くと
空気が切れるのが目に見える程の突風がこちらへと迫っていた。
「電撃閃光斬!」
向かってきた風を切り裂く。
おっさんを安全な場へと避難させ、兵隊長の元へと向かう。
「コーク、もう大丈夫だ。後は俺がやる」




