三十一話
「なんだ?先の方が光ったぞ」
「兵隊長が仰っていた怪しい奴らじゃないですか?」
「だが、偵察部隊を二人先に送り込んでいたはずだがそいつらはどうしたんだ?」
「あいつらポンコツですからねやられちゃったんじゃないですか?」
「あいつらならあり得るな。じゃああれは侵入者だと断定して行動しよう。奴らを倒して我らが手柄を上げるぞ!」
「おおー!」
百匹近くの兵隊蟻が歓声を上げる。
「ばかが!奴らに聞こえるだろうが!もっと小さい声にしろ!」
「兄貴もですよ。」
一匹だけ色の白い兵隊蟻は呆れていった。
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「今の聞こえたか?」
「はい、聞こえました」
「敵は馬鹿ばっかりみたいね。こんなとこで大声出したら居場所を自ら曝してるようなもんでしょ」
「グビリコ。また頼みましたよ」
「いいが、今度は派手にやっちゃっていいか?今度は声量からして数が多い。一匹ずつやるのは逆に悪手だと思う」
「いいわよ。でも全部一撃でやっちゃってね。取り逃がしが無いように」
「よしじゃあやるぞ」
両手に力を入れ構える。
今度は炎で消し炭にしてやる。
辺り一帯が赤く煌めいた。
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「よしじゃあ作戦を今から言うぞ」
周りより一回り大きい兵隊蟻が背後の兵隊蟻の方へ振り向く。
「これからおれ.....」
「兄貴後ろ!」
白い兵隊蟻は叫び、迫りくる炎を躱した。
「なん.....」
兄貴とその他大勢の兵隊蟻は一瞬にして消し炭になった。
仲間たちの焦げた臭いが鼻につく。
まああの程度の奴らやられてもどうってことない。
敵は僕一人で十分だ。
白い蟻は天井へと登っていく。
上から奇襲をかけてやる。
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「おお!凄い!さすがの迫力ですねー」
「しーっ!あんたも学習しないわね」
「こんなでかい魔法を放ったんだ。ちょっとでかい声出したところで変わんないだろ。コークはビビりすぎだよ」
「いや、コークの言う通りだ。まだどこに敵が潜んでるかわからない。警戒するのは当然だ」
「ほら、グビリコも言ってるでしょ」
「すいませんでしたー」
「だが、あれだけの数の敵がいたということは城はもうすぐのはずだ。警戒を解かずこのまま進んでくぞ」




