二十八話
「うわーなんか湿っぽくて嫌ですねー。それに暗くてなんも見えない。階段踏み外しちゃうよー」
「文句言うなよ。おっさんがわざわざ安全なこの道を教えてくれたんだ」
「そうですね。すいません」
素直で良し。
だが俺もこの湿っぽさは不快だな。
「湿っぽいのはどうにもならないけど暗いのはあんたら二人のどっちが炎魔法で照らしてくれればいいでしょ」
「確かに!じゃ、グビリコお願いします。」
人任せかよ。
しょうがないやってやるか。
三人のそれぞれの肩のあたりに蝋燭の灯程の炎を出現させた。
「ありがとうございます!」
「ありがとう!」
灯に照らされた通路を見渡す。
階段を下った先は左右に道が分かれていた。
土管のように丸い天井。
壁にはカビがこびりついている。
道の真ん中には下水だろうか?
汚く濁った水が流れている。
「うわー汚い。こんなとこ通るの嫌だー」
「文句言わない。せっかくおじさんが教えてくれた道なんだから」
「あんたもさっき文句言ってたでしょ!」
「そうだっけ?」
チーロがおどけて言う。
「腹立つー。で、どうすんの?左右に道分かれてるけど。どっちに行く?」
「分かんないなー。どっちが正解だろう。わかんないからとりあえず右に行ってみる?」
「それで違ったらどうすんのよ」
「じゃあ。じゃんけんで決めよう。僕が勝ったら右、コークが勝ったら左」
「それ何も変わってないでしょ!」
「いや、おそらく左だろう」
「何でですかー?グビリコ。まさか君もテキトーじゃないですよね?」
「いや、ちゃんと理由はある。あの通路の真ん中を流れてる下水の流れる方向を見ろ。左から右に向かって流れてる。つまり左が上流ということだ。下水が街の端から城に向かって流れてるとは考えにくい。つまり城に向かうには、上流側の左に進めばいいということだ。」
「おお、グビリコ頭いい!じゃあ左側にレッツゴー!」




