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二十五話

 「なあ、そんなに急いでどうしたんだ?」


 「大変なんですよ!」


 「何が?」


 「さっきの村変だと思いませんでしたか?」


 「確かに変だったな。妙に人気が無いというか」


 「そうなんです。」


 「それとお前らが急いでるのは関係があるのか?」


 「はい!あの村にいた人たちは蟻に攫われてしまったんです」

 

 「蟻に?どこに攫われたんだ?」


 「アントベルグです。僕達が目指してた街です」


 「その街に蟻が?なんで?」


 「蟻に占領されてしまったらしいです。そこの女王アリが病気らしくてそれを治すためにあの村の住人を連れ去っていったみたいです」


 「何で治療のためにあの村の住人を?」


 「あの村の人は皆回復魔法を使える人達何です」


 「回復魔法を?なんでそんな村が?お前らが言うにはすごく希少なんじゃないのか?」


 「いろいろ事情があるみたいですよ。さ、見えてきましたよアントベルグ」

 中心にそびえたつでかい城にそれを囲むように街が発展している。それを覆いかぶさんと巨大な壁が囲っている。

 これが城塞都市か。


 街の入り口は大きな門で閉じられその左右に人間の兵が立っていた。

 蟻に占領されたんじゃないのか?


 「なんだ貴様ら。怪しい奴はここを通すなと命が下りている」


 「僕らは怪しい奴じゃないですよ。ただの観光客ですー」

 妙に頭が回るなこいつ


 「観光?お前らのような汚らしい奴らが?」

 俺らは自分の身なりを確認すると

 埃にまみれていることに今気が付いた。

 まあ、ろくな寝床に着けてなかったししょうがないだろう。


 「えーっとこれは僕ら旅をしながらいろんな街を観光しててーーそれで最近野宿続きだったからでしてこの街で身を清めたいなーと思って」


 「ますます怪しい奴らだな」


 「じゃあこれでどう?」

 コークが兵二人に近づき何かをポケットから取り出す。


 「五千G(ゴキ)だよ。これで入れてくれない?」

 こいつ金で兵を釣りやがった。


 「ま、まあ人を疑いすぎるのは良くないことだしな。よし入れ」

 門が鉄のこすれる音を響かせながら開く。


 目に映るのは、活気にあふれた街の姿だった。

 楽しそうに走り回る子供たち。買い物客で賑わう市場。

 

 「あれ?蟻に占領されたんじゃないの?おかしいですねー。皆元気そう」


 いや、大人たちの顔は能面のように張り付けたかのような表情をしている。

 何かがおかしいぞ。この街。

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