二十二話
「どう?近くに街とか村あった?」
「ここから1キロ位のところにアンティスって村があるみたい。そこに急いで連れてこ。急げば間に合うはず」
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「どういうことだ?オオカマキリの奴止めを刺さずに帰りおって。あいつは独断での行動が過ぎるな。このまま帰ってきたら粛清してやろうか?いや、今はそんなことはよいか。とりあえず言い訳だけは聞いてやろう」
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「グビリコ。頑張ってくださいねー。もう少しで村に着きますから」
「もっと急げないの!グビリコ死んじゃうよ!」
「これで全力だよ!」
周囲を森に囲まれたこじんまりとした村が出現した。
「着いた!」
「すいません!誰かいませんか!けが人がいるんです」
「助けてください!」
村の入り口の一軒家から老女が姿を現した。
「なんだい?」
怪訝そうな表情でこちらを見る。
「けが人がいるんです!助けてください!」
「なんだって。それは大変だ家につれておいで!」
老女の家の中はものが散乱し、埃っぽかった。
「汚くてすまないねー。そこのベッドに寝かせてやってくれ。」
「はい!」
息を合わせて返事をすると二人は足場に気を付けながらグビリコをベッドへと運び込んだ。
「見せてごらん。こりゃひどい怪我だね。助かるかねー?」
「そんなこと言わないでください!」
「うーん私もなんとかしてみるけれどこれ程ひどい怪我だと治せるかどうかー」
そう言うと老女はグビリコの怪我に手を当てる。
すると淡い緑の光を発せられ、怪我が少しずつ小さくなってゆく。
しかし、傷が完全に塞がることはなかった。
「えっ?おばあさん回復魔法使えるんですか?」
「そうだよ。まぁ、年を取って今じゃこれくらいが限界だけどね」
「凄いです!ありがとうございます!」
「でも回復魔法の使い手がなんでこんな村にいるの?回復魔法が使えたらどこ行っても引く手数多でしょ」
「それが嫌だからだよ。」
「どういうこと?」
「自分が道具のように思われてる気がしてね。それが嫌だったんだよ。この村にいる人は皆そうだよ」
「皆!?」
「皆回復魔法が使えるんですか?」
「そうだよ。でも村の住人は今は私だけだけどね」
「どういうことですか?」
「皆連れ去られてしまったんだよ。」
「誰にですか?」
「蟻だよ。」
「蟻ですか?」
「そうだよ。何でも奴らの女王が病気になったとかで回復魔法を使えるものを片っ端に連れ去ってるんだ」
「そんなひどい」
「そうだろ。だが私たちは回復魔法しか使えないからね抵抗する術がなかったのさ」
「あの、グビリコを治療してくれたお礼として僕たちが連れ去られた皆さんを助けてきます!」
「なんだって?危ないよ!」
「大丈夫です!僕達強いので」




