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二十一話

 カマキリは物々しい雰囲気を纏いながらゆっくりと降りてきた。

 でかいなオオカマキリか?

 

 「やあ、勇者君とその仲間たち。さっきのはよく避けれたねー。あれで死んでくれれば楽だったんだけど」


 「なんなんだお前は!」


 「俺か知る必要なんかあるのか?お前らはこれから俺に殺されるってのによ」


 「僕らを殺すだって何のために!」


 「知る必要はない」

 その言葉と共に右の鎌を一振りした。

 空を切る斬撃がチーロ目がけて放たれる。

 

 「うわっ。危ない!」

 とっさに雲の壁で防ごうとするが、斬撃は勢いを止めることなくめり込んでゆく。


 このままだとチーロが危ない

 剣に電気を纏いチーロの前へと駆ける。

 そして斬撃を剣で受け止めた。

 うおぉ。重い。


 「ほぉー。流石勇者。仲間のために身を呈すとはさすがだねー。じゃあこれはどうかな?」

 さらに三本の斬撃が放たれる。

 やばすぎる。

 このままだと斬られる。


 「させるか!」

 コークが新たに放たれた斬撃を防がんと竜巻を放つ。

 しかし、儚くもすぐに両断されてしまった。


 くそっ。

 やるしかない

 三本の斬撃が剣に直撃する。

 重すぎる。

 駄目だ。

 やられる。


 「食らえ!」

 俺の背後からチーロが飛び出し

 炎魔法をオオカマキリへと食らわせる。

 不意打ちを食らった奴は後ろへとよろける。

 斬撃が消えた。

 隙ができた。

 今だ。

 

 俺は奴の胴を両断せんと剣を構えて奴の間合いへと入った。

 剣を振り下ろす。

 当たった。

 そう思った。

 しかし剣は奴の胴ではなく鎌に受け止められていた。


 「危ない危ない。流石は勇者とその仲間たち。この俺に不意打ちを食らわすとは侮っていたよ。だが終わりだ」


 奴の鎌が俺の胸から腹にかけてを切り裂いた。

 俺は自分の体から深紅の血しぶきが上がるのを見ながら倒れこんだ。


 「グビリコ!」

 二人の声が重なる。


 「グビリコ?こいつの名前か?まあどうでもいいこの程度の奴。勇者というのも大したことなかったな。」

 オオカマキリは甲高い笑い声をあげる。


 「グビリコに何するんだ!」

 

 チーロが炎魔法を奴に向かって放つ。

 

 「弱い」


 あっさりと斬り落とされてしまった。


 「お前らにはもう用はない。勇者が復活しただとかグレートゴキブリ様が仰っていたからどんなものかと思えばこの程度とは。期待外れだ。」


 そう言うとオオカマキリは飛び去って行った。


 「グビリコ!大丈夫ですか!」

 「大丈夫?グビリコ!」


 二人が俺の元へと駆け寄ってきた。 

  

 「今止血しますからね!頑張ってください!死んじゃだめですよ!コーク近くに街や村が無いか地図で探して、そこにグビリコを運ぼう」


 二人が必死に助けようとしてくれてる。

 ごめんな。迷惑かけちまった。

 そう思うと俺は気を失った。

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