二十話
「よし!みんな準備できましたね?次の街へ出発しましょう!」
「どこに向かうんだ?」
「アントベルグです」
「どんな街なんだ?」
「簡単に言うと城塞都市です」
「城塞都市?なんだそれ」
俺のいた世界ではそんなのなかったぞ。
「街がおっきい壁に囲まれているんです」
「そうなのか。」
「ここからは遠いですから僕の魔法で行きますよ」
「安全運転で頼むぞ」
「僕はいつも安全運転です!」
あれで?
「あんた達無駄話してないで早くしてよ!」
「ごめんごめんすぐ出すよ」
森から帰る時と同じくらいのサイズの雲が出現する。
「二人ともちゃんと乗りましたねー。じゃ出発進行!」
雲は急上昇を始める。
相変わらず荒いな。
雲のある高さまで到達すると急上昇は止まった。
「お前安全運転するって言ってたよな?全然じゃないか」
「えー僕はちゃんと安全に配慮して運転しましたよー」
「グビリコ我慢して。これでも昔よりはマシになったの」
これで?
「わかった。ただこれからも改善の努力を要求する」
「了解!」
絶対思ってないだろうな。
それからも雲の中を切るように進み続けた。
前方に不穏な影が出現した。何だ?ヒト型に見えるがこんなところに人がいるわけない。
「おいチーロあそこに変な影が見えるぞ」
「はい、怪しいですね。あの影の部分は迂回して通りましょう」
「何?ゴキブリ?だったらやっつけちゃった方がいいんじゃないの?」
そう言うとコークは風の斬撃を影へと向かって放った。
周囲の雲が切り裂かれてゆく。
斬撃が当たったのか影が動いたような気がした。
すると
コークが放ったものの何倍も大きな斬撃が影から放たれた。
前方の雲が両断され視界が開けた。
そこにいたのはカマキリ?
しかし人のように二本足で腕は鎌二本しかなかった。
「チーロこれはやばい避けろ」
「はい!」
雲は今までにない荒い動きで急降下した。
避けきれたか?
後ろを振り返るとさらに三本もの斬撃がこちらを追撃していた。
「チーロ、やばい後ろからついてきてる!」
「もう逃げきれません。せーので二人とも降りてください!」
まじか!地面まで五十メートルくらいあるぞ
「せーの!」
勢いに任せて飛び降りる。
これ降りてどうすんだ?死ぬぞ。
そう思いながら地面直撃の直前
地面を覆うように雲が現れた。
柔らかい雲に身を包まれる。
よかった。
雲を追跡していた斬撃は五十メートル程先の地面に刻み込まれていた。
「二人とも大丈夫ですか!」
「大丈夫だ!」
「大丈夫よ!」
「急いで戦闘準備してください!なんだかやばそうですよ!」
ああ大分やばいだろうな。
アシダカグモの時とは明らかに迫力が違った。




