十八話
「凄いです。グビリコ。たった一人であのアシダカグモをやっつけちゃうなんて流石です!」
「はは、そんな褒めるなよ照れるぜ。ってそれよりコークはどうした?」
「ああ!コークは背中からの出血がすごかったですが止血して今は落ち着いています」
「回復呪文使えましたよねグビリコ。この傷が治せるか使ってみてもらえますか?」
「そういえばそうだったな。試してみるか」
うつ伏せになっているコークの背に手を添え、力を込める。
すっと傷が治っていく。
「おお、すごい!傷がどんどん治っていく」
チーロの驚きの声が森の静寂を明るくする。
「これで傷は治ったぞ。あとは目が覚めるのを待つだけだ」
「そうですね今日はここで夜を過ごしますか?ちょっと危ない気もするけど」
「確かに危ないかもしれないな。しかし今コークを動かすのもよくない」
「じゃあどうしましょうか?」
「俺が見張りをしておくからお前らは寝てろ。」
「え、そうしたらグビリコが寝れないじゃないですか」
「俺はいい、こうなってしまったのは俺のせいだからな」
「確かにそうですね。じゃあそうさせてもらいまーす」
やっぱ見張りやめようかな。
その後チーロはすぐ眠りについた。
眠りにつくコークとチーロの顔を見る。そういえばこいつら大分顔が幼いな。中学生くらいか?
なんでこんな幼い子たちが魔王討伐だなんてしようと?
まあ直接聞くのはやめておこう。誰にも聞かれたくないことはあるしな。
もちろん俺にも。
あんなにはしゃいでいて、チーロには聞こえていなかったのだろうか?アシダカグモに連れ去られてしまった人達はもう帰らないということは。あったことのない人々とはいえ死を告げられるのはつらいものがあるな。
人の死でこんな気持ちになるとは俺も人間化が進んでいるようだな。
特に音沙汰もなく夜は明けた。
「おはようございます!」
寝起きがいいのは高評価だ
「おはよ」
「おお、コーク大丈夫か?」
「んーあれ?背中が痛くない。どういうこと?」
「グビリコが魔法で直してくれたんだよ!」
「すげー。ありがとう、グビリコ。」
「で、体調はどうだ?」
「超元気!ばっちりだよ。はっ、そうだ。蜘蛛の化け物はどうなったの?逃げられた?」
「いや、グビリコが倒してくれたよ!しかも一人で」
「あんな化け物を一人でやっぱ勇者自称するだけあってすげーな。グビリコ。ところで蜘蛛に攫われた人達はどうなったの?」
「あ、そういえばそうですよ!探さないと」
「いや、それはもう.....」
最後まで告げることができなかった。
しかし二人には伝わったようだ。
数瞬の沈黙が舞い降りた。
「そっか。それは残念ですね。クエストはクリアしたことだしギルドのおじいさんに報告しに行きましょ。」
「そうだな.....」




