十五話
「グビリコ助けてぇ~」
消え入りそうな声でチーロが語りかけてくる。
しかしどうしようか、奴も何故何もせずに留まっているんだ。
そ、それに俺も恐怖で体が動かない
「てめぇらだよなさっきのは」
低く不快な声が耳に届く。
「まずはこいつから殺してやるよ」
奴が長い前足を振りかぶった。
その時
やつの目元に小さな竜巻が巻き起こった。
竜巻は奴の八つの目を切り裂く。
奴が苦しみの呻き声をあげながら目を守ろうと前足を構える。
なんだ?何が起こった?
「私の仲間に何しようとしてんの!」
この声はコーク?しかし奴につかまってるんじゃ?
奴の前足を見るといない!
どこだ?
「ここだよ」
樹上から声が響く。
「さっきのあんたらの攻撃のおかげでこいつの足から抜け出せたんだ」
「そっか。良かったー。あ、助かったよ。ありがとうコーク!」
「いいよあんたらのおかげで私も助かったんだし。そんなことよりこいつを倒そう」
「そうだね。グビリコもいいですか?さっきみたいに逃げないでくださいよ!」
もう逃げはしない。でも体が動かないんだよ~。
「やっぱりてめえからだ。さっきすぐ殺しとくべきだった。」
白く輝く氷の針がコーク目がけて放たれる。
「コーク危ない!」
チーロがすかさず炎を放ち防ぐ。
「チッ。面倒だな。やっぱりお前から殺す」
今度はチーロを囲むように無数に氷の針が出現した。
「これはやばいかもしれないなあー。グビリコ助けてー」
チーロから必死の助けを求められる。
でも、体が震えて動かない。
グビリコは動くことができなかった。
「こいつー私の仲間に手ー出すなって言ってんだろ!」
そう言って樹上から奴の目元目がけてコークが飛び降りた。
奴の目が潰れる音。奴の唸る声が森を揺らした。
「もう、許さねー」
その瞬間
目にもとまらぬ速さで奴の前足がコークの背を切り裂いた。
悲鳴を上げ、吹き飛ばされ俺の目の前に吹き飛ばされるコークを俺はただ見ていた。
「グビリコ.....たすけ.....て」
今にも消えそうな声でコークは言った。
聞いた瞬間体が勝手に動いていた。
「てめぇ。俺の仲間に何しやがる!」
拳に電気を纏い奴の頭を変形するほどの勢いで殴っていた。
自分でも驚くほどのスピードで。
「チーロ!こいつは俺がやる。コークの手当ては任せた!」




