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十三話

 「なんで逃げたんですか!」

 

 チーロの怒声を浴びる。

 仕方がないだろ。

 体が勝手に動いてしまったんだ。


 「すまない」


 「あーどうしようコークが殺されちゃったらどうしよう。今すぐ森まで助けに行きますよ」


 「すまない」

 ただそれだけしか言えなかった。


 「しょうがないから僕の魔法で行きますよ。」

 二人がギリギリ乗るくらいの大きさの雲が出現する。


 「早く乗ってください!急ぎますから」

 

 チーロに急かされ雲に急いで乗る。

 街を出る時よりも荒い操縦で雲は急発進した。

 行く先を阻むように吹く風がすごく寒い。


 「本当に信じられません。あの状況で自分だけ助かろうとしたんですか?仲間ですよね?」

 それからもチーロの口から滝のように流れる俺への呆れを聞かされながら奴のいる森へと向かった。


 森の位置口付近へと着いた。森の中は前方が判別不可能なほどに暗闇に支配されていた。

 この中を探すのか。これは骨が折れるな。

 

 「森の中から奴を探すのは難しそうですね。上空から探しましょう」


 「上空からってったってこんな暗かったら奴の姿は見えないだろ」

 

 「奴の姿は見えなくても動きは見えます。奴が動けばそこの気が揺れるはずです」


 「そうか。お前見かけによらず頭がいいな」


 「よくこんな時にそんな口きけますね。落としますよ」


 「悪い悪い。つい本音が」


 「本当に落としますよ」

 

 「ごめんなさい」


 「まあいいですよ。今は奴を探すのに集中しましょう」


 「しかし、二人で見つけられるか?ジェットの街位広いぞ」


 「見つけられるかどうかじゃないんです。今は見つけるしかないんです」


 「そ、そうだな」

 急に頼もしくなったな。


 ーーガサッ。


 「今の音聞こえたか?」


 「はい、ここから東の方向ですね。そちらへ行きましょう」

 相変わらず荒い操縦だ。


 ーーガサッ。


 「今の見えました?あそこの木が動きました」

 チーロが左斜め前方の木を指さす


 「すまない。見えてなかった」


 「じゃあ、あそこら辺を見ててください」


 ーーガサッ。


 見えた!

 とっさに腕を構え魔法を放つ。さっき水と炎は効かなかったから。電気でいこう。

 電気の光線を放つ。

 爆音が森の静寂を切り裂く。

 すると耳に不快感を及ぼす低い呻き声が辺りに響いた。

 当たったようだ。

 

 「てめぇらよくもやってくれたな」

 低く反響する不気味な声が森から響いてきた。

 その瞬間巨大な針のように先端が尖った氷が奴の元から無数に発せられた。

 当たったら死ぬ。

 とっさに炎を放ち飛んでくる氷を防ぐ。

 溶けた氷が雨のように森に降り注ぐ。


 「なんでいきなり攻撃するんですか!敵に僕らの居場所がバレちゃったじゃないですか!」

 

 「見つけたらすぐに仕留めるべきかと思って」

 

 「こんな視界が悪い場所で魔法なんて使ったらコークに当たっちゃうかもしれないでしょ!それに僕らに気づいたから奴も慎重に行動するようになってしまったはずですよ」


 「すまない。考えがそこまで及ばなかった」

 チーロから説教を食らっていると。

 森から無数の深いな羽音が聞こえてきた。

 これはゴキブリだ。


 「うわ、ゴキブリ達が飛んできますよ。グビリコこいつらはやっつけちゃってください!今は魔法使っていいので」


 よし、名誉挽回だ。

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