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 最終回 大団円へ! 其の4  ~大好き。後編~

なりんの生身に起こった小さくて大きな変化は、

これからきっといろんなことがうまくゆくんだ、と

なりんに実感させました。


 さて。

 最終回 大団円へ! 其の4

   ~大好き。後編~


 これは援護くんの場合に限ったことなのか、

それとも克服してしまったのか。

 それはまださだかではない。

 祖父の介護の際も、これさえ平気ならお互い

ずいぶんと気楽だったであろうに。

 自分も物理的につらかったが、それを察して

おもんばかる祖父ともお互いにどれだけ

気まずい思いをして、させて、しまってきたことか。

 あたしがこれが平気になって、お祖父ちゃんも

昼のベリィこと澤菜音楽教室で過ごせるなら、


また家族みんなで一緒に暮らせるかもしれない。

 もちろん三色団子としても大いに活動させてもらうけど、

今はお父さんだって一緒にいるんだし。

 お姉ちゃんにも、しっかり介護に参加してもらうし。


 さあ、帰り着いたら。

 援護くんはあやのさんにきちんとした手当てを

してもらって。

 あたしは、先ずベースでお父さんたちと家族バンドやって

こりんとお姉ちゃんとポーキュパインやって

 それからソウルハガーを頂ける授与式をやったら

三色団子やって、それからみんな参加の大盛り串団子態勢で

みんなであの夏のあの曲でラインダンスやるんだ。

 今日はきっと、あの日とは逆に(あゆみ)くんが

援護くんを支えるんだな。

 うわなにそれ、激熱げきあついじゃん。ベリィHOTじゃん!

 この夜のこれからの楽しさになりんの笑みがこぼれる。


 ふと、自分自身と姉の、援護くんの魔力というか

呪いというかについての、仮説がまた頭をよぎった。


 生身の援護くんの真心まごころに触れると、

平凡な普通の人は強い感化で自分も何かせねばと

ついつい無理めな人生の挑戦を始めてしまい、

中には分不相応ぶんふそうおうな挑戦で破滅に身をやつす人も…。


 いや、大丈夫だ。なりんはブンブンッと

強く頭を振って、不安を振り飛ばした。


 裕人くんみたいに、感化をみごと成功につなげた

まっすぐなひともいるし、

あゆみくんみたいに、一時は命の瀬戸際まで体調を悪化させても

こうしてなんとか乗り越えて全快パーティ開くひともいるし。


 それに、姉の見解には続きがある。

 姉が考えついた、ふたつの打開策だかいさくだ。

 そのふたつのうちのふたつめは

姉が今エリックたちと始めた、援護くんのWEBでの活動で

なりんは今、まだ未採用なひとつめのほうを

当てにすることを考え始めた。

 援護くんからの感化で挑戦を始めた人には、

現代の魔女であるあたしたち姉妹が見守りに入って

成功の手助けをするなり、無理なら無理で

挑戦を見届けつつやんわりと分からせて、

見切りをつけさせてやる。

 大丈夫よ、善なる大魔王・援護くんの側近が

本音ほんねの魔女」な私と、考えられる限り最強クラスな

口車くちぐるまの魔女」のお姉ちゃんとの

無敵の魔女姉妹なら。

 もう誰ひとり、不幸にも破滅にも、させやしない。 


 今、なりんは懐かしい場所をまたひとつ取り戻して

舞い戻っていた。

 あんなにせつなく求めていた、


 援護くんの隣りに。


 それも、今度は自分が支える側の立場で。

 ひとときは二者択一のように思えていた、

大切なマサキと共に

援護くんの左右にひとりずつ

すっぽりとおさまっていた。


「見えてきたぞ。」

 そうして三人が無事ベリイに帰り着き、扉を開くと

愛すべきベリイの仲間たちと家族たちが

大きな愛で賑やかに歓迎した。

 お帰り、援護くん。ここが、あなたの、そして

私たちの居場所。

 あたしはギターだって利き腕で好きなだけ弾いて

歌も歌うし、

お祖父ちゃんも一緒に家族みんなで暮らしていくし、

これからここも、皆も、一人残らず守りきってみせるわ。


 なりんのまっすぐな展望は、熱く心燃える野心的な大冒険だ。


 援護くん、そしてみんな、大好き。


 


「うお!なんだ援護くんどうしたその顔」

「援護くん!誰がこんな目に」

「凜、まさかあんた」

 いやいやいや!

 ちゃうちゃう、と慌てて否定ひていするなりん。

「違うんです皆さん、これは仕事で」

「遠藤さんお顔よくみせてください!」

「あやのさん、どうも顔だけじゃないの、てあげて」

 援護くんのダメージに気づいたベリイの店内は、

いったん大騒ぎ。

 手当てが済んでパーティの続きと聖弦授与せいげんじゅよのセレモニーが

始まるのは、その晩のうちの、もうちょっとだけ

あとのことでした。



  援護くんの隣りに、大団円。

 ではまたシーユゥサムデイ、ドロン☆

あゆみ

「なりんちゃん、援護くん、連絡くれたら駅まで車だって出したぞ?」

なりん

「そうだよね、援護くんのことをいちばんに考えたら、それが正解だったよね。」

マサキ

「シマうま、その手はないぞ。」

「え?」

マサキがそれ以上語らずに笑って見せると、

なりんもちょっと困ったようにあちこちに目線を巡らせながら、

はにかんだ微笑みをしてみせた。


援護くんが何か言おうとするが、

あやの

「遠藤さん!手当て終わるまでちょっとじっとしててくださいね。」

顔を治療されているので、私語もままならない。


 …なんてやりとりも、あるいはあったことでしょう。

 授与式の様子なども、いずれ単発短編で書こうかどうか。

 ともあれ、物語はいったんここで一区切ひとくぎりです。

 なりんたちの人生は、彼女たちの時空で、今後も続いてゆきます。


 この物語が、いつかあなたの眼にもとまりますように。

 過去から未来のいつかで読んでくれるあなたに、心からの感謝と親愛を。

 

 では!

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