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 大団円へ!其の2  ~ホームのふたり~

援護くんとなりんは、いまライブバー・ベリィの最寄り駅の

ホームのはしっこのベンチにいます。


 さて。

   大団円へ!其の2

   ~ホームのふたり~


「なりんちゃん。よくここが分かりましたね。」

「お母さんやニンジャさんたちから学んだの。」

「ニンジャさん??」


 少し前に、援護くんこと遠藤圭吾はなりんに

電話を掛けた。

 普段は通話そのものを拒否する援護くんとしては

めずらしいことだ。

 援護くんは

「すみません。急な予定変更があって、

今日はやはり行けなくなりました。」

と、ドタキャンを告げてきた。メールひとつでは

失礼にも程があるので、せめて通話で礼儀を

尽くしたかったとのことだ。


「約束の時間間際じかんまぎわの連絡なら

意外に近くまで来てたりもあるとか、

そういうこと。」

 なりんは援護くんからの電話に出て、

今日は行けないという援護くんの言葉の背後に

駅や電車の気配を察知した。

そして

「援護くん、そこ動かないで!今行くから!

もし動いたら職場に押し掛けるよっ!!」

 と、援護くんが最も回避かいひしたがりそうな条件を出して

援護くんをその場に、~ホームに~固定した。

 そして息を切らせて全速力で到着しての今だ。

 こりん達は、今頃

(あのなんか凄い勢いで通り過ぎた人影が

なりん(ちゃん)だったのかな)

と、合点がてんをつけているところだろう。 

 それにしたって。

「大遅刻だったりで、他の駅からの電話だったりとかは

考えなかったのですか?」

「援護くんが遅刻とかすっぽかしとか、するわけないじゃん。

 あたしなら、遅刻はあり得るけど。」

「そうですか…。」

 なりんが援護くんの顔に手を伸ばす。

「ひどい青タン…誰を介護してきたの?」

 援護くんの左目の周りには、青黒いあざが

腫れあがっている。

「兄で慣れてたつもりだったんですがね…

皆さんに心配かけたくなくて」

 見れば目に限らず、顔といい手の甲といい

全身それとなく満身創痍まんしんそういだ。

「援護くん、立てる?ベリィまで行けばあやのさんもいるから、

ちゃんとした手当してもらって?」

「いえ、こうしてなりんちゃんのお顔も見れましたし。

今日はこれで。ひと休みしたら、帰ります。」

「やっぱりへとへとで動けないんじゃん。

 いい?もうひとふんばり。

 ベリィについたら、ゆっくり休んでいいから。

 援護くんがいなくて、私の授与式もあゆみくんの全快お祝いも

成立なんてするわけないでしょ。」

 そう言ってなりんが援護くんの左わきに入り、

かつて祖父にそうしてきたように

ささえて立たせようとする。

 うわ大きい。なりんが援護くんにここまで

密着みっちゃく接近せっきんをしたのは、

あの夏のキャンプフェスのステージ以来だ。

 歩やエリックらと比べれば長身なほうではなくても、

いわゆるガチムチな援護くんの体躯たいくは、

介助される側となればこんなに頼もしい人もいないが

逆にお世話を見る側となるとなんとまあ重くて

手に負えないことか。

「援護くん、少ししぼれるんじゃない?」

「すみません。運動量は足りてると思うんですが、

どうしても食べちゃって。」

「だよねえ。」

 娯楽が少なく働きづめの援護くんの生活では、

食べることくらいしか楽しみがないし、量を

食べねば

とても心身がもたない。

 しかし、楽しいな。久々だな。

 なんだろうこの、慈愛の仙人せんにんや大魔王さまみたいな

神々(こうごう)しい援護くんじゃなくて、

弱みや情けなさもいとおしい、

生身の援護くん。

 あたしの大好きな援護くんが、ほんと久々に

帰ってきたこの感じ。

「なりんちゃん、君じゃ無理です。どうかこのまま

僕を置いて、お祝いの場に帰ってください。」

「だめよ。そんなの許さない。援護くんほら!

人のことばっかじゃなくて、たまには自分の

楽しみのためにがんばって!」

「そうだぞ、援護ン!」

いつのまにか現れたもうひとりのいとおしみが

援護くんのいてる右側に、なりんと対称に入り込んで

肩を支える。


ええ、更新は明日の予定だったのですが。

次の予定まで思いがけず時間がき、しかも明日はまた更に激忙なので

このチャンスとタイミングで投稿済ませることにしました。


 それと、あともう一章で完結の予定だったのですが

推敲の結果 一章では収まらなくなってしまい、

 この次は其の3に其の4を足して前編と後編に分けることとなりました。


 来月もまたもう少し、どうぞよろしく。

 この物語が、いつかあなたの眼にもとまりますように。

 では!

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