シティ・フェス 其の5 ~満願(まんがん)の大成功~
この新たなビッグイベント シティ・フェスにおいても
三色団子のオンステージは大盛況の快進撃であるようです。
さて。
シティ・フェス 其の5 ~満願の大成功~
なりんが作った新曲「となりに援護くん」に続き、
わーにゃとしおんヌもそれぞれに作った新曲を
3人で披露した。
わーにゃ姫が母国語で作詞したエスニックなメロディは
タイトルすらなりんたちにはヒアリングも発音も
できないものだったが
会場は不思議な魅力に支配され、未知の音楽の拡がりに心地よく聴き入り
うっとりと陶酔した。
しおんヌは端正な英語の歌詞でベース演奏を前面に押し出しつつそれでいて
仕上がりはプログレというのだろうか、これも未知の領域に近い独特な音楽世界に
観衆を誘った。
観衆が三色団子の振り幅の広さにくらくらした辺りで
単純明快な「はっぴぃ☆エンドくん」が明るく楽しく炸裂し、
振り回され気味だった観衆は安堵と共に
大いに盛り上がった。
意図した流れというわけでもなかったが
三人がそれぞれの出自と背景と個性的な才能を
大いに活かしたセットリストは、結果大盛況のうちに
出番を終えられた。
盛大な拍手と歓声に見送られてステージをはけると、
万感の笑顔でカミコさんが迎えてくれた。
「三人とも!お疲れさま、さいっこうだったよ!!」
「ありがとう!カミコさん。」
「それからね、いい知らせ。島辺さん、手術うまくいったって。」
「ほんとですか!」
「ベリ子さんから連絡がきたの。」
ベリ子さんとカミコさんとは三色団子のマネジメントの
引き継ぎで知り合っている。
「それで歩くん…島辺さんは今どんな」
「まだしばらくは目も覚まさないから、
あわてて連絡とらなくてもいいと思うわ。
ベリ子さんも援護さんも少し眠った方がいいでしょうから、
三人には私から知らせると伝えてあるわ。」
うまくいくと信じてはいたけど。
ステージも、そしてもうひとつの意図も、
ほんとに、本当にうまくいった。
なりんはベルトで抱えたソウルハンガーに
改めて手をやり、
ーあたしたち、やったな!相棒!ー
と、上々の成果を讃え合った。
そして三色団子の三人で微笑み合い、次いで
合流してきたハナナたち三人ともハイタッチで
通じ合い、更に六人で何故かカミコさんを
胴上げした。
「待って女子の腕力で胴上げとかほんとこわいから、
落とさないでケガもしないでえ!」
持ち上げられながら当然の懸念を口にするカミコさん
「大丈夫だよカミコさん軽いから!」
六人がかり、といってもわーにゃ姫がお小さくたおやかであられる一方
ぺいもいのふたりは女子並みではない別格の筋力で支え
それからハナナが意外にも怪力であった。
スーツ姿の小柄な美女カミコが空中を上下する。
「うわー、もう最高!」
ついにはカミコさんも素直にはしゃぎ、
スリリングな女子胴上げは真ん中を交代へと
移りかかったところで運営から安全上の
ストップがかかり、事故なく無事に区切りがついた。
こうして
ホームであったライブカフェ・しすたあ☆ふっどを巣立った三色団子の
初対外は、盟友にしてライバルなハナナこと
後藤七晴のオンステージ共々大成功をおさめた。
この2組を率いたカミコこと雲神了子の手腕と名声も
いよいよ唸りをあげて勢いを増してゆくことになる。
なりんは新たな仲間たちと共に、確実に
次のステージへの階段をのぼったのだった。
なりん渾身の新曲に続いてわーにゃとしおんヌの作りおろし新曲も
それぞれ大いに魅力的でありつつ観衆にとっては新たな未知の扉であったのですが
そのあとで
歌詞もメロディも単純明快な「はっぴぃ☆エンドくん」へと続いたので
これは図らずともいわゆる「緊張と緩和」というものになった、
セットリストでありました。
この物語が、いつかあなたの眼にもとまりますように。
では!




