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燃える紅葉に染まる頃 其の2

 あゆみを励ますお見舞いのつどいの日。

 援護くんとなりんは、お互いに初めてのかお

垣間見かいまみせます。


 …さて!?


   其の2


 あゆみの手術が延期するとのしらせが届き、

一度皆で励ましのお見舞いに集まろうという話しに

なった。

 顔ぶれはポーキュと団子とぺいもいに、

藤堂兄妹だ。

 こりんは部活から、マサキたちはベリィから

わーにゃたちと一緒に現地集合なので

なりんはバイト早番の甘味処・花みつから

ひとりで病院に直行した。

 バスを降り、本館に向かう短い道すがら

天気の良さになんとなく敷地内の庭園に目をやる。


 庭園には大きめの池があり、池のふちには

植樹しょくじゅとベンチがある。


 池に向けて並んだベンチは、なりんが歩く舗道ほどうから観たら

背中向きだ。


 なりんはそこで思いがけない光景を

目にしてしまう。


 あれは…援護くん?


 横顔の援護くんは、珍しくほがらかだった。

 いつも優しい穏やかな笑顔でいてくれるが、

あんな明快に明るい、楽しそうに朗らかな笑顔というのは

初めて見るのではないだろうか。

 ー援護くん、あんな顔できるんだ。

 あたし、正面から見たかったな。


 大きな木立ちの根元に置かれたベンチで、

 援護くんは人と話していた。私服だけど、

見覚えのあるすらりとしたシルエットの

若い女性。

 なりんは気取けどられないように

距離と木立こだちはさんで

ふたつの横顔を、しばしみつめていた。


 それから、なりんは心ここにあらずの足取りで

歩の病室に向かい、

気心きごころ知れた仲間たちと合流した。

「おうなりん、喜べ。今日は援護くんも来るってさ。」

 こりんが明るく声をかける。

「そうだね。」

 さっきもう姿をみかけたとは、言わないなりん。

「歩くん、おみやげ。」

 ベッドの島辺歩に花みつの三色団子の包みを渡すなりん。

「ありがとう。ベリ子、全員揃ったらみんなで頂こう。」

 この病院は病状しだいで多少の持ち込みは

許されている。


「テンション低いのね。」

 のんが声をかける。

 あいまいにリアクションを返すなりん。

 みたところ、しおんヌがいるが

 ベリィからのドラム組はまだなようだ。

 るうーも、今日はマサキと共に来ることに

なっている。

「ベリ子さん、担当の看護士さん、なんておっしゃったっけ。

 あの、すらっとした」

「澤村さん?」

 なりんはほぼ会ったことがない。少し

見かけたことがあるだけだ。だが、なにか

印象に残る女性ひとだった。

 そこに、援護くんがようやく訪れた。

「皆さん、ごぶさたしてます。」

 なりんが無言のローテンションで援護くんを

みつめる。

 「?」

 病室の一同が、妙な空気を察する。

「援護くん、ほんとうにごめんね。あたし、

ずっと直接あやまりたかったの。」

「いえ、本当にそれはもう。」

 歩が口を添える。

「なりんちゃん、俺からも援護くんに頼んだことなんだ。

 援護くんの生き方は、少しづつでも世間に

知られた方がいい。それがきっと、援護くんが

望むような、子供を助ける大人を増やすことにも

つながるって、そう思ってな。

 俺が説得したんだ。」

「援護くん、それでよかったの?」

 らしくない冷徹な言葉がなりんの口から出て、

病室の一同が耳をうたがった。 

「あたしからもすすめたわよ。相談されたから。」

 穏の声にまで妹をいぶかる響きが混じる。

「お姉ちゃんには相談するんだ。」

「のんさんは、成人ですので…僕は、相談できる

知り合いもまだまだ少ないので、意見をうかがいました。」

「ごめんね、子供のわたしが迷惑かけて。」

 なりんは自分でも戸惑っていた。あたし、

こんなこと言う子だったんだ?


 知らなかったよ、自分でも。


 パソコンの再起動でうっかり書き溜めたぶんの本文が

消えてしまい、リカバリーに手間取りました。


 今回、ここで澤村さん、澤村あやのさんが再登場です。

 わるいようにはいたしません。大事なキャラクター

(登場人物)ですし、大事に扱います。


 この続きはまた明日 

 この物語が、いつかあなたの眼にもとまりますように。

 では!

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