なりんのアルバイト 其の3~下(げ)~
なりんはわーにゃたちと
今後の方向の大まかな話し合いをします。
大事に思われ、大切にされているようですね。
さて。
其の3~下~
「なりんちゃん、花みつまで来てくだされば、
交通費は花みつから計上されます。
そして閉店後は、私たちとここからベリィに
移動しましょう。」
ベリィからの帰路の乗車賃も、額面で計上清算されるわけだ。
「あの、私のバイトも建前ってことに
なりかねないような?」
「閉店までの接客と閉店作業は重要です。
不正はありませんよ?
それに次回からは接客ワンオペですので。」
「え、やっぱ今日のひと、引き継ぎだけな感じ?」
「はい。なりんちゃんの出勤で交代お帰りに
なるので、なる早やで来てあげてください。」
「はい。」
「しおんヌとは、ベリィでもしすたあ☆ふっどでも
現地集合になります。」
「しおんヌは来られない日とかないのかな」
「あるようですが、そういう日には」
そういう日には?
「一緒にどこか遊びに行きましょう。」
ええ?
ぺいぺいが説明する。
「わーにゃさまは立場上ご自身でお友達を増やすことも
難しいですので。
ですが例外として、澤菜さんのお嬢さんななりんさんや穏さん達に
仲良くして頂ければ、私たちも助かります。」
「そういう事でしたら。喜んでお付き合いします。」
こりんももう部活以外の放課後は裕人くんと
過ごしたいだろうしなあ。
…あ。
「あのマサキくんのドラムってどんなお話しに
なってます?」
「週末の日中にベリィをお借りしての指導という
お約束になりました。
春菜さんが気になされてお月謝を、との
お申し出がありましたが、
別に交通費もかかることですし、そこは」
「そうなんですね。」
週末の午後は、三色団子はしすたあ☆ふっどに
出演が組まれている。
「ですから私たちは週末はベリィでマサキくんと
ドラム指導をして、そのあと花蜜に戻って
なりんちゃんをお迎えして、それから
しすたあ☆ふっどに移動することになります。」
みっちり充実したスケジュールだなあ。
「私もマサキくんと会いたいなあ。」
話しを総合すると、どうもそれも難しそうに
思えてきた。
「そうですね、たまに皆でお夕食にしましょう。
花蜜で、というわけにはいきませんけど」
それはいいな!
「ぜひお願いします!あの、私のバイト代で
マサキくん達にもごちそうできるくらいのお店で。」
「はい。そちらへのごちそうは、私どもにも
割り勘?というものをさせてください。」
全部持つ、といわないところがわーにゃちゃんの
深い慮りだ。好感度高いなあ。
「それとシフトもありますので、デートに
当てられる日も確保できると思いますよ。」
やだそんな、デートだなんて。
とは思いつつも、ちょっと心弾む指摘だ。
マサキくんとデート。してみたいな。
もちろん、るぅーちゃんもいてくれていい。
大歓迎!
そこでまた、更にはたと思いつく。
そこに、援護くんも混ざってくれないかな。
援護くんとマサキくんとあたしとるぅーちゃんとで、
…ダブルデート?いや、そうは言わないな。
そう言っちゃうと色々とまずい解釈も出てくるし。
「あの、わーにゃちゃん、ぺいぺいさん、
これからよろしくお願いします。」
「楽しくなりそうですね。」
にこにこのわーにゃちゃんと、ぺいぺいさんも
静かに微笑んでいる。
「そういえばもいもいって、やっぱ今日も
しすたあ☆ふっどに?」
「はい。私が許可を出しました。その代わり、
ぺいぺいが私たちと練習や出演をする際には
必ず警戒を担当するようにと
申し渡しております。」
大丈夫なのかな。SP?ひとりで。
ちなみにわーにゃの身辺警護にはもうひとり
姿をみせない担当者が付いている。
それが「猪上さん」じゃない方のもうひとり、
とある手練れの少女だが
それはまた別のお話し。
広がりに広がったというなりんの行動半径、
ここでちょっと整理してみますね。
澤菜家(なりんの家) 駅 高校(徒歩)
祖父のいるケアホーム(放課後にバスで行ける距離)
ライブバー・ベリィ(電車)(こりんと裕人の最寄り駅より手前)
歩のいる病院(車か公共交通)
アイドルカフェ・しすたあ☆ふっど(大型ショッピングモールの一角 近くは、ない)
割烹・花蜜と甘味処・花みつ(電車で30分、県庁のすぐそば)
このほかに、前作に出たキャンプフェスの会場が
ええと、病院からみてベリィと等間隔くらいの距離、と記述しました。
それから、まだ行けてない場所として
マサキたちの藤堂家は歩のいる病院にわりと近い、
しおんヌの勤めるユーズドショップが問屋街って書いた(打った)っけかな
こんなところでしょうか。増えたなあ~。
どこ、ということはないのですが県庁もあるので
都内でもないし道でも二府でもないどこかの県のできごと
なのでしょうね。
この物語が、いつかあなたの眼にもとまりますように。
では!