三色団子、参上! 其の3
新生バンド「三色団子」の初披露は大成功!
演奏後のMCでなりんとレラがトークします。
さて。
其の3
ここで袖からレラが登場した。
事前の予定通りのMCの時間だ。
「はい、こりんTHEポーキュパインと、
本日初披露の三色団子の皆さん。
ありがとうございました!さて」
レラがなりんの方を向く。
「ええ、両バンドの共通メンバーで、
新バンドのギターとボーカル、なりんちゃん。」
「はい。なりんです。」
「なりんちゃん、ベリィはお休みに入るということなんですけど、
島辺歩さんがご回復しだい、また再開すると
いうことでしたよね。」
「はい。そう伺っています。すぐというわけには
いかないんですけどベリィと歩くんはまた
戻ってまいります。」
「それは楽しみですね。皆さん、この映像は
島辺さんにも届きます。どうか皆さんからも
お見舞いのエールをお願いします!」
レラがフロアにマイクを向け、観衆の気のいい声援が力強く響く。
「がんばれーーーーー!!」
「シマちゃーーーん!」
歩もなかなかの人気者だ。
「ありがとうございまーす!
島辺さーん!手術応援してまーす!!」
カメラに手を振るレラ。
「それでなりんちゃんなんですけど。
なんだかベースとギターでめーっちゃ器用なこと
してますよね?」
「あっはいこれは」
そこからなりんとレラは打ち合わせ通りに
やりとりを続ける。
右弾きベースは父譲りなこと、
キャンプフェスに現れた「なりんの援護くん」と
「ハッピィ☆エンドくん」は同一人物であり、
なりんの憧れのひとであること、
そして新たな楽器である左弾きギターが
ある仲良しの少年から託された「魔弦ソウルハンガー」と
呼ばれるいわく付きの品であること、
ただしどんないわくがあってどう魔弦なのかは
非公開の秘密と決めたことなど。
話し過ぎかも知れないが、これには事情がある。
なりんたちの後のゲストの衣装にトラブルが起きて
修繕に手がかかり、しばらくふたりで場を繋がなくてはならなくなっていたのだ。
本当は出番を入れ替えたいところだが、
特別ゲストは特別ゲストでコーナーを固めて
あるとの事でそうもいかない。
それでレラとなりんのやりとりには、
事前の打ち合わせにはなかった話題が加えられた。
背後のドラムセットやアンプが片付く中、
ふたりのおしゃべりは尚続く。
「せっかくだから新バンドのおふたりにも
お話し伺いましょうか。
しおんヌさーん、わーにゃさーん!」
レラがアドリブを効かせ、なりんが焦った。
(レラさん、そのふたり、フリートークとなると
けっこうな地雷かも!)
しおんヌはまあ風変わりってだけで
あるいはウケて上々で済むかもしれないが、
わーにゃさまはおしのびの身だ。
なりんの心配をよそに、ふたりは待ってましたとばかりに
すいすい登場する。
昨夜パブロン飲んでよく寝たら、今日は体調戻りました。
その目で熱っぽかった間の文を読み返すと、やっぱ
自分で読んでもよくないんですよね。それであっちこっち
書き直しているうちにまたこんなぎりぎり時間に。
ちなみに今回のお話しも色々と書き直しました。
体調管理はほんと大切ですね。改めて反省するとともに
これからまた大寒波が予報されているとのことで
今後もお互い用心して温かく過ごしましょう。
この物語が、いつかあなたの眼にもとまりますように。