三色団子、参上! 其の2 ~HAPPY!!~
新バンド三色団子の初ステージ
「ベリィHOT」の模様替えである持ち曲
「ハッピィ☆エンドくん」がいよいよ
披露されます。
さて!
其の2 HAPPY!!
なりんの曲名紹介から間髪入れず、
しおんヌのお得意フレーズがノーマイクで
響き渡った。
「HAーーーーーーーー!!PPYィイイイイイイ!!!!」
そこで前奏が始まり、先程のベリィHOTと
同じ曲でもやや趣きの違うアレンジで
そこから既に新たな三人の演奏のクォリティが発揮され
遂に!歩が贈った新たな歌詞で、
なりんのボーカルへと移った。
♪うぶなあいつにあたしは夢中♪
(♪うぶはおあいこお似合いね♪)
♪生真面目 お堅め 癒し系♪
(♪それでいいのね もの好きね♪)
♪あたしの愛しい、エーンドくーん♪
♪誰も魅力に気づいちゃいない♪
(♪ひとの好みも好きずきね♪)
♪しめたあたしが独り占め♪
(♪かまわないからお好きにね♪)
♪エンドくん!エンドくん!大好き!♪
ー歌はここからサビに入る。ー
♪エンドくん♪優しい♪
♪エンドくん♪かわいい♪
♪エンドくん♪お堅い♪
♪エンドくん♪つれない♪
♪いつも大好きあたしのエンドくん♪
ここから長い間奏だ。三色団子の三人は
それぞれ別格のハイスペックな実力とセンスを備えている。
なりんと魔弦ソウルハンガーの相性も、
本来の利き腕という要素を超えた、なんというか
魔がかり?神ではなく魔がかかったと形容したい
別次元の輝きをみせる。
それがハッピィ☆エンドくんという
シンプルな構造の楽曲に乗ることで、
何かアンバランスな、異様な魅力を放っていた。
会場も最初はあっけにとられていたが、次第に
「これは凄いものが始まった!」という
観衆独特の勘が冴え、一気に盛り上がる。
三人が存分に底力を披露し、ようやくシメの
ボーカルに戻った。
♪エンドロールでふたりはいちゃいちゃ♪
♪めざせめでたし終り良し♪
♪ハッピイエンドで!
(♪大好き!♪)
♪ハァッピィエンドで!♪
(♪大好き♪)
♪ハッピイエンドで!
エーーーーンドくーーーーーん!!♪
後奏はベリィHOTと同様にラルゴな仕様で、
三色団子のお披露目初演奏は見事な着地をみせた。
…やった。やったった。
なりんの想いというより、むしろ歩の
援護くん&なりんのカップルへの思い入れが
勝ったような歌詞の楽曲だが。
なんといっても三色団子はいい。
なりんはこの新体制が、ポーキュと同じか
勝る勢いで大好きになってしまっていた。
「ウオオオオオオオオ!!」
観衆の反響が凄い。一瞬余韻にひたったあとで、
なりんはこの大歓声に気づいた。顔をあげ、
隣りのしおんヌと、そして背後のわーにゃと
顔を合わせ、破顔で笑い合う。大成功だ!
なりんはもう一度正面の客フロアを向き、
三人で頭を下げる。
そして顔をあげたとき、ふとフロアの最後方に、
思わぬ姿をみつけた。
(マサキくん?来ないって言ってたのに。
ここまで自分で来たの?)
マサキは笑顔ではない真剣な表情だ。
どんな思いでいるのだろうか。
ベリイHOTとハッピィ☆エンドくんは
同じメロディという設定で、
ひとつのメロで2通りの歌詞というのは
モーニング娘。のシングルにもあるし
色々と例がありますよね。
そういえば国際カヴァー曲も、
訳詞になってなくてぜんぜん違うこと歌ってる、て例が
日本に限らず世界中であることですし。
思えば我が本作の登場キャラクターたちも
姿のイメージをアンジュルムはじめ実在の素敵なアイドルや
芸能人の皆さんたちからお借りしてまして
これも同じメロディ(姿)に違う人物と物語(歌詞)を載せる、
という、ある面 通じることをさせていただいているのかもしれません。
それから、
性別や年齢でその姿まで変えてしまっているキャラもいますので、
(イメージ上で)演じる、演じてもらうという感覚とは少し違うようです。
ちょっととっちらかったお話をしてしまいました。
この物語が、いつかあなたの眼にもとまりますように。
では!