魔弦ソウルハンガー 其の2
魔弦ソウルハンガーとは何者か。
代々何人もの持ち主をその牙にかけてきた
恐るべき伝説が語られる時、
乙女たちに戦慄が走る!!
…なんつって。(?)
いえこの通りのお話です、さて如何に。
其の2
援護くんも合流して、改めてふたりの事情を
聞けるかとも思ったが、先ずはギターの件を
進めたくてたまらないマサキの気持ちから
先に尊重することになった。
「んんっと。つまり、その左弾き用のエレキギター」
「魔弦ソウルハンガー。」
「うんそのソウルハンガー、を私が預かるべきで」
「預かるだけでなくて弾いてくれ。」
「うんそう、あたしが弾くのね。」
「だめだよ、あのギターに関わっちゃだめ。
お兄ちゃんもソウルハンガーに憑りつかれかかってるのよ。早く捨てて!」
「捨てないよ!それにそうるはんがーは悪くない!
あいつはちゃんと弾かれればちゃんと満足するんだ!」
「つきあいきれないでしょ!魂吸い取られちゃうよ!」
「待って待って。その不幸?ひと喰いって、
具体的には何が起こるの?」
なりんが兄妹に翻弄されつつ、話の整理を試みていると不意に核心が来た。
「おばあちゃん、起きないの。あの魔弦がうちに来たせいだ。」
「お祖母さま?どうなされたの?」
「おばあちゃんはマサとるぅーを世話見てくれているんだ。今はこの病院にいる。」
「この病院に?」
「おばあちゃんが病院にいるから、マサもるぅーも一緒にいるんだ。」
「るぅーちゃんもお薬飲んでるんだよね?」
「るぅーのつういんは以前からだ。薬もらう以外は、べつに毎日じゃなくていい。」
ふむ。
「そうるは、おばあちゃんがお葬式帰りにもらってきた。形見分けだって。」
お葬式?まさかご両親とか…、
「おばあちゃんの古いともだちで、そうるの前の持ち主で、
おばあちゃんはおれが左利きだから
これにしたって。」
そこにるぅーが情報を追加する。
「おばあちゃんのお友達にとってだって、
彼氏の形見だったっておばあちゃん言ってた。」
彼氏、なんだ。お友達さんは彼女で。
「で、お葬式になっちゃったじゃない。」
あ…なんかなるほど。
「つまり、ソウルハンガーの持ち主だったひとが次々」
「だからおばあちゃんが眠ってるうちに、
処分しなくちゃ。早くしないとおばあちゃん、起きられないかも。」
「でもそうるの今の持ち主はマサだ。マサはぴんぴん元気だぞ!」
「順番があるんだよ!きっと」
「おばあちゃんのお友達の次の持ち主がマサだ!
おばあちゃんのきとくはそうるのせいじゃない!」
…あたし、なかなかの特級呪物?てやつを預かりかけてる?
「受け取りなさい。」
なりんに穏が耳打ちする。
もう冷静さを取り戻したようだ。
「兄妹との重要な接点になるわ。
今後も会い続ける理由に出来る。」
確かに、この兄妹を支援するにしても
あるべき支援の形がどんなものなのか、
どんな支援が有意義なものなのかを探るには
まだ時間も手間もかかるかもしれない。
君たちの力になりたいから、だけでは
実質の助力になれるまで、間が持たない。
「話聞けば、そもそもみんなお年寄りばかりよ。
呪いじゃなくって、自然なお迎えよ?」
そうは言っても。
正直ちょっと腰が引けるじゃん?
「援護くんの力になりたいでしょ?
難儀な兄妹も弾かれたがりなギターも、
皆まとめて力になってやらなきゃ。」
その次の囁きが、なりんを支配した。
「援護くんの隣りに今後も居続けるって、そういう事よ。」
…。
……、
うん、そういうことか。
「分かった。弾くよ。弾いてみたい。」
「なりんちゃん!よして!」
え?ちゃん付け?
見ると、るぅーが青ざめている。
「だめだよ、なりんちゃん。考え直して。」
ちゃん付けが、るぅーちゃんの本音なのか。
きっとるぅーちゃん、自分たちの苦労に
誰も巻き込みたくなかったんだね。
それがなければ、もっとずっと穏やかで柔らかい
気持のいい女の子なんだ。
ちゃん付け呼び、嬉しい。
更新ペースを詰めるために、短めで投稿してみます。
さて まもなく12月6日は
ヒロイン澤菜凜ちゃんのモデルである川名凜さんのお誕生日
それまでに更新できなかった場合を考えて、早めにお祝い記しておきます
アンジュルムのなりんちゃんことケロンヌさんこと川名凜さん、
21歳のお誕生日おめでとうございましょう!!♪
(※語尾が未来形)
一応次のお話は書けてるので(今は辻褄のチェック中)
お誕生日当日までにもう一話更新できるかどうかと
いうところです。
今回、援護くんその場にいるはずなんだけど
喋らせてないなあ。
たぶんなりんちゃん達を信頼して、
任せてやりとりを見守っているのでしょうね。
そうだと思ってます。そうだと思って!!