スイッチ・プレイヤー 其の2 ~こりんの名調子~
ポーキュパイン一旦のラストステージのリハーサル。
こりんの達者なMCをじっくりどうぞ。
さて。
其の2 ~こりんの名調子~
「おし、じゃあいってみっか!」
ステージリハーサル開始。こりんがMCに入る。
「ええ、お招きありがとうございます。
ライブバー・ベリィのこりんTHEポーキュパインです!
わたくしギターとボーカル、こりんでございます!
ご存知の方もおいでと存じますが
実はこのたびわたくしどものベリィがね。
我らがシマちゃんのご療養のために一旦
休業となっておりまして。
それでというわけでもないんですが、わたくしこりんがですね。
ちょっと部活のほうがなかなか有望と言うことでね、
我がままながらこのお呼ばれの機会にね、最後ぱーっ!とやって、
一旦きれいにお開き、というわけです。
ここで会場のリアクション待ちの想定。
「はい、ありがとうございます。
実はまあ今日は仕掛けももうひとつ用意してあるんですけどね、
その前に先ずはうちらのラストショウタイム。
シマちゃんね、来月手術して、そのあと
今より元気にパワーアップの予定です。
そしたら追い追い回復次第でベリィも再開
しますのでね。
今日はその前祝も兼ねまして、
それでは盛り上がってまいりましょう!
いくぜ!
島辺歩快復祈願!ベリィHOT!!」
穏のドラムスティックがカウントを入れ、
ラスト演奏のリハが始まった。
なりんは父の右弾きベースを弾きながら、
ふと気がかりが頭に浮かんだ。
ー待てよ、あたしハッピィ☆エンドくん歌ってから
ソウルはマサキくんからもらった、って話し
すんのか!?
どんな女だそれ。ー
ちょっと深刻な邪念が入った。
しかしこれはポーキュパインの大切な節目
(ふしめ)のためのリハだ。
もっと別な感慨をよく噛みしめよう。
なりんはバンドの絆、父との絆、
そして援護くんとの再会のためにベースを
練習した夏休みの日々を思い、
心を込めて大切なリハを完奏した。
「ありがとうございました!うちらはこれにて
ひとまずドロンですが、このメロディは受け継がれます!」
こりんのMCのあいだに急いで得物を
ベースからソウルハンガーに持ち替えるなりん。
ほかの団子ふたりもきびきびとステージに
現れ、穏と、続いてハケるこりんと入れ替わる。
ハイ、次回はもうフェス後夜祭の本番真っ最中、の
予定です。
全体リハとか開場客入れやオープニングやその他もろもろ
色々全部まとめてすっ飛ばしての、
フェス後夜祭真っ最中です。
何もなしだとお話しのつながりが分からないかも知れないので
この後書きで予告と解説とさせていただきます。
次回 この続きのお話は、もう後夜祭始まっててまっさいちゅうね。
この物語が、いつかあなたの眼にもとまりますように。
では!