第九話 集合写真のならびかた 其の1
文化祭の残り時間を、体育館ステージの演目を観て過ごすことに
決めた、なりんとマサキ。
さて。
第九話 集合写真のならびかた
其の1
「せんぱーい!すてきー!!」
「きゃー!」
ヒップホップに創作ダンス、
日舞にフラにアイドルカヴァー、更にヲタ芸チームなど
舞台上の演者たちも、彼ら彼女らに向けた声援や嬌声を放つ客席も
盛大に華やぐ、体育館。
なりんとマサキは後方で並んで立ち見していた。
「なりんぬの学校、すごいな。」
マサキが素直な感想を告げる。
「うん。この文化祭の開放日も人気なんだよ。
これで受験決めたひともいるくらいだって。」
なりん達の高校は大学進学系の生徒も入る一方で
地元の就職にも強く、独特の自由な活気がある。
「なりんがいるなら、マサも受けるのにな。」
お互い中学と高校の一年生なので、
マサキが高校に進学する頃にはなりんは卒業して
しまっている。
「うん。でもあたしも留年するわけにもいかないし、ねえ。」
けっこうな仲良しトークなのだが、ふたりとも
もう感覚が慣れ過ぎて、意識しそびれてしまっている。
なりんは、あとで思い返して はたと気づき、
真っ赤な顔を枕にうずめてばたばたと
バタ足をすることになるのだが。
あと。細かいことだが、この頃から「ぬ」が
外れていることも、徐々に増えてゆく。
「次がさいごだな?」
舞台にドラムセットが設置され、各楽器も配線を
確認している。
なりんのお目当てのひとつは、実は
援護くんが示してくれた指標、
「ドラマーを探す」のために
毎回トリを務める軽音部のステージを観てみることだったのだが
これについては残念ながら、昨日も今日も芳しく無く、結果
お姉ちゃんて、けっこうやるんじゃん。
と、穏を見直すに留まった。
「・・・なりんぬ、マサもドラム始めてみようかな。」
そう来るか!?
「お姉ちゃんに教わってみる?」
「のんぬか。のんぬは誰に教わってたんだ?」
「んー、歩くんかなぁ。」
そういえば気にしたことなかった。
「シマうまか。シマうまは、ドラムもできるのか。」
「分かんない。どっちにしろ、今は無理だけど。」
「だな。」
「それにお姉ちゃんにも、ドラマー探しについては
当てにしないでって言われてるし。」
「んー。」
同時に腕組みして考え込んでしまう、ふたり。
「なりんぬは、楽器誰に習ったんだ?」
「あたしは独学だよ。動画観たりとか。」
「ベースとか右弾きのは、確かちちうえの物なんだよな。」
「うん。」
「ちちうえはドラムは?」
「やんないね。」
なりんが父の楽器を弾いていた一方、
姉の穏は父と被らない楽器を選んだことになる。
「ちちうえの知り合いは?」
「んー、いても同世代のおじさんだと思うけど。」
「誰かマサにドラム教えてくれないかな。」
「そっか。ちょっとお父さんに聞いてみるね。
それとベリィの出演バンドからの人脈についても、
ベリ子さんと歩くんに相談できるかもね。」
「おう。マサもしおんヌにも相談してみる。」
ところで、どうあれお姉ちゃんに教わるのは
パスなのかな。マサキくん。
いまちょっと考えてることがですねえ、
なりんちゃんに揺れさせた例の件、作者も揺れちゃってます。
(けっこうな重要案件をさらっと言ってみる)
援護くんとマサキくんね、物語の流れ的には
普通に考えれば援護くん(前者)なんだけど、例えばですよ?
なりんちゃんのモデルのなりんちゃんことケロンヌさんこと
川名凜さんに、もしこの物語をどうにか読んでいただけるとしたら
(仮定ですよ?あくまで。念のために念を押しときますけど。)
川名さん的にはどちらなのかなあ。たとえ澤菜凜ちゃん自身ではないにしても、
援護くんはいやかなあ。どうなの?
ミンミンゼミとひぐらしならひぐらしであるように、「自分は後者です」
なんて選択になったりするんじゃないのかなあ、と
ふとね、かなり心配になったりして。(※不思議なアメブロ読んだ。)(1,12)
もし仮にご意向を確かめられるなら、今ならどちら方向にでも作劇できます、
これをこうしてああしてこうこうでこう、てな具合に。
でもねえ。確かめようがないですよ、私には。だから
ちょっと、揺れてるんですよねぇえ…。
この物語が、いつかあなたの眼にもとまりますように。
いつか、ていうか、マジでご意向聞いてみたい。聞けないけど。
♪うまく言えない、うまく聞けない♪(替え歌御免)(forMr.タクイ)
澤菜のなりんちゃん、ケロンヌさんにも本音の魔法、プリーズゥ(何をぅ)
では!