第八話 魔界の森の両天秤 其の1
文化祭2日めの、一般開放の日曜日。
裕人たちの研究発表もいよいよここが大詰め、
大本番です。
さて。
第八話 魔界の森の両天秤
其の1
一般開放の日曜日の体育館は、並べる椅子の席も
大幅に増やされていたが、
昨日のマサキの演説の評判が生徒から各家庭伝いに
広まったようで今日も満席の大入りだ。
出番の順は昨日の通り。
裕人組の前の番の発表者もすねたりはやめて、
迷いのない熱弁を振るっている。
例年に無いこの人出をチャンスと見ることにしたようだ。、
「裕人くん、準備はどう?」
「なりんちゃん。今マサキくんも来てくれたところです。
改めてOK頂けた発表が若干増えた分、
進行にやや変更が加わります。
眼を通してください。」
「ラジャー。」
進行表を確認しつつ、舞台袖から観客席を見渡すと。
こりんと噂の美人親子こと春菜とるぅーは
最後方の端の方に座っていた。
「なにあんな端っこで。」
「マサキくんの人気がすごいのよ。」
クラスの女子が説明してくれた。
こりん達が席取りに先行したものの、それでも
ぎりぎりで間に合ったらしい。
前の発表者にむけての拍手があがった。
順番が回ってきたようだ。
「ではなりんちゃん、参りましょう。」
裕人となりんは段取りとアナウンスに従って
壇上に進み出た。
いくつかの実例紹介を取り戻した裕人の発表は
淀みなく進み、
提言の箇所は昨日よりも簡潔にまとめられた。
「以上の通り、ヤングケアラーの実態は既に
稀有なものではなく、我々の社会にある
普遍的な生活形態のひとつとすら言える比率に
昇っています。
しかし我々の理解はまだまだ追いついては
いないのではないでしょうか。
皆さん、どうかこの機会にこの事実を把握し
皆さんひとりひとりの可能な限りでの
支援や配慮と連携を、お願い致します。」
きちんとした会釈でしめくくり、会場は
この成果に相応しい拍手で裕人らを讃えた。
舞台袖へ去りつつの、なりんの視力で視た限り
こりんも乙女の微笑みで拍手を送っている。
綺麗だな、こりん。
なりんは親友カップルの成立の過程を
またひとつ見守り、大いに噛みしめ味わった。
更新再開です。
先述の通り、第七話で本当に全力注いで疲れたので
先ずは一日がっつり休筆しました。
それからノーパソを開いたものの、
この第八話は最初ちょっと掴めませんでしたが。
それならそうで章も分けずにどんどん書き進めてみたら、
また形が掴めてまいりました。
とはいえまだ書きあがってはいないのですが。
ひとまず書きあがったところまでで、
「この辺で切れ目かな?」と感じたところで章を分けて、
いま其の3くらいまで。
それでまた、その続きを其の4にするか第九話にするか、
てところです。
タイトルは、第七話の余韻もひきずってますね。
この物語が、いつかあなたの眼にもとまりますように。
では!




