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第一話 藤堂兄妹 其の1

先ずは第一話。病院に到着したなりん達の一行は、

目指す兄妹と初対面、そして援護くんと再会します。

  第一話 藤堂兄妹


   其の1


 歩が入院している病院はフェス会場からもライブバー・ベリィからも

丁度同じくらいの距離で道すがらの中間に位置している。

 それで歩もベリ子もこのくらいの道のりならと、運び込まれてから転院せずに

そのまま入院に移ることにしたのだった。

 歩の従姉であり共にベリィを経営するベリ子ことこと島辺莉子はいわば家族で

あり、

歩の下着やパジャマなどは手頃なものを新たに買いそろえ、

ほぼずっと見舞いに日参していた。

 ベリィは臨時休業が続いている。

「さあ、人助け一行がお城へ参上よ。」

 のんの、こりんの取り違いにそのまま乗っかった言い回しで

三人は車を降り、広めの駐車場からロビーへ向かう。

 地域の医療を担う総合病院で、城の例えに相応しいそこそこ立派な威容だ。

 老若様々な人々の行き交うロビーに、早速目を引く喧噪があった。

「だから!なんでお兄ちゃんがついてくるのよ!」

「るぅーはなんかあったら自分でお薬飲めないんだよ。」

「この病院では一人でいいの!なんかあれば

誰でも手助けしてくれるってお話通ってるんだから!」

「るぅーはひとりになりたがるじゃん。

誰もいないとこ行ってなんかあったら誰も助けられないじゃん。」

「お兄ちゃんずっとついてくるのほんといや!」

 大きな声で交わされるやりとりに、さすがに三人も確信する。

「…いたわね。」

 のんが断言し、

「うん。あの子たちで間違いないと思う。」

 と、なりんも相槌を打った。

「援護くんより先に会っちゃうかな。」

 そう宣言するとさくさくふたりに近づく、こりん。

「ふたりとも、援護くんて知ってる?」

「なんだおまえは。」

「何か用?」

 見たとこ中学生くらいの少年が即座に切り返し、

そこに小学生であろう女の子が冷たく続く。

「援護くんに頼まれて会いに来たんだけどさ、君らだろ。

援護くんのともだちって。」

 まだ訝しげな二人。

「あたしは金子鈴。こりんって呼ばれてる。」

「そのこりんが何の用だ。」

 警戒は解かぬままだが、こりんのコミュ力に

知らず知らずのうちに巻き込まれてる兄妹。

「女の子同士ってのが、ありがたい場面もありそうだから

力を貸してやってほしいってさ。」

 援護くんが自分では聞き出せそうにないと言っていた事情を、

こりんなりに解釈を加えながら率直に話しかける。

「お前たちが援護ンの知り合いって、どう証明するんだ。」

 援護くんのことはもう信頼してるんだな。

 なりんは改めて感心した。

 援護くん、やるなぁ。さすがだなあ。

「今電話してるわ。ちゃんと病院で待っててくれたようね。

いまロビーまで降りてくるって。」

 いつの間にかスマホを出していたのんが

援護くんに到着の連絡を済ませていた。

「電話でさぎってやつか!?」

「顔知ってる本人が降りてくるわよ。ほら。」

エレベーターに眼をやるのん、釣られて一同もエレベーターを凝視する。

 …さすがにさっきの今ではすぐには到着しないが、それでもなんとなく待って

いると

開いた扉のむこうから援護くんがやってきた。

 援護くん!実は実にフェス以来に再会の、生身の援護くん!

 メールの文字でなくて、生身!

「援護くん!」

 ロビー中が振り向くような声量を出してしまったなりん、

自分の声にびっくりする。

「なりんちゃん。来てくれたんですね。」

 そんななりんに先ず応じてくれる援護くん。次いで一同を見回して

「もう会っていたんだね。お互いに紹介はまだでしょうか。」

「援護ン、こいつはこりんで他はまだ分からん。…なりんって言ってたか?」

 どうも兄妹のお兄さんの方は、どこかとぼけた個性の持ち主のようだ。

「そうですよ。マサキくん。こちらは僕の友人のこりんちゃんとなりんちゃん、

そしてのんさん。」

 お兄さんはマサキ君ね。

「皆さん、彼は中学1年生の藤堂マサキくんで、」

藤堂遥香とうどうはるかです。」

 援護くんの紹介を断ち切って、妹の遥香ちゃんとやらはクールに自分で名乗った。

「るぅーは、おれの妹の小学4年生だ。」

 警戒口調のままで妹の素性を自ら明かすから、とぼけた印象がぬぐえない。

少々危なっかしいが、どうやら図らずもの愛嬌を備えた、愛すべき少年のようだ。

「あたしはなりんの同級生で高一、なりんは本名は澤菜凜で、

澤菜穏さんはなりんのお姉さんだ。」

「澤菜穏よ。のんのんとでも呼ぶ?」

「のんぬ?」

「ぬ っって。」

 のんぬが固まる。その様がちょっと可笑しかった。

「だいたいわかった、のんぬとなりんぬとこりんぬは援護ンのいちみなんだな?」

 ありゃ、あたし達にもぬが付いてきちゃったよ。

真っ先に「ぬ」が付いて固まるのんお姉さん。

されど、為永詩音さんことしおんぬさんに相当するキャラクターは、

のちほど改めて登場します。

 ちゃんと「ぬ」も付ける予定です。


 一方 藤堂兄妹ことマサキくんとるぅーちゃん。

 援護くんこと圭吾にあゆみに、おふたり分頂いた高橋裕人くんなど

前作「なりんの援護くん」から主要男性キャラクターは名前の元ネタだけ

モーニング娘。さんの歴代メンバーから頂いてまして

(因みに圭吾の圭の字も保田圭さんと飯田圭織さんの双方から頂いております)

 マサキくんは前例の通り、且つ今回は人柄もちょっとだけ佐藤優樹さんをモデルにしてます。

 そして妹のるぅーちゃんは、どぅーこと工藤遥さんがモデルですが、

なぜ彼女だけは女の子のままかというと。

 工藤遥さんは舞台などで男性役ポジションが多かったのですね。

TRUMPシリーズで当たり役の「ファルス」を始め「アサダ」役など魅惑の少年役青年役が大好評で、

大いに人気を博しました。(※ヲタク早口で)

 なのでこちらの我が拙作では、逆に女の子ポジションにしてみましたよ。

 ご在任中 同期である佐藤優樹さんと工藤遥さんの甘酸っぱく甘苦い人間関係も人気と話題を呼んで

ファン注目の的、大盛り上がりの大名物でした。(※ヲタク早口で)

 そんなふたりを兄妹に設定することを思いついた時、創作モチベが更に更に上がりました。

 

 アンジュルム由来の創作キャラクターたち共々、物語に活かしてゆきたいものです。

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