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『…さあ、どうかしらね?』


あ、これは絶対知ってるやつだ。…言えないことなのかしら?それとも言いたくない?どっちでもいいけれど何か理由があってのことなら、調べてみようかしら…。

 この国の差別意識を変えられるようなものだといいな。


「そう…。まあいいわ。とりあえず今日はもう疲れたわ!ティータイムにいたしませんこと?」


「ええ、そうねそうね。ニーナの好きなお菓子たくさんあるわよ」


「まあ、お祖母様!本当ですの?嬉しい!ほら、そこの三人ももう今日はうちの護衛に任せて休みましょう?せめてこの屋敷にいる間はゆっくりしてちょうだい」


「お言葉に甘えさせていただきますね」


「「ありがとうございます!」」


「お父様もお祖父様もお時間はあるのかしら?一緒にいかが?」


 「「もちろん」」


 

 

 ティータイム後、自室に戻ったら寝かせていたライルが目を覚ましていた。

 侍女に寄り添われながら、お菓子を食べていたようでまだぎこちなさは残るものの少しは落ち着いてきたみたい。良かった。入口に立っている私をじっと不安げなまなざしで見つめてくるライルににこりと微笑えんで、侍女にお礼を言って二人にしてもらう。


「さて、ライル。目が覚めて良かったわ。自分の状況はなんとなく分かるかしら?」

 

「うん」


「そう…あなた本当にかしこいのね。今までのこととこれからの未来の話をしましょう。まずはあなたの家のことを教えてくれる?その後のことは私たちに任せてね。それから今後どうしたいのか聞かせて?それを踏まえて、あなたにはいくつか提案できることがあると思うわ。いきなりで困ると思うし分からないこともあると思うけれど私が貴方のことを守るから、好きに選んでもらいたいと思っているの。だから、よーく考えて答えをちょうだい?いい?」


「…はい」


「えらいわね。じゃあまずはあなたの家の名前を教えてくれる?」


「ハウジック…だったと思います」


「ハウジック伯爵家ね、そう…ありがとう。他に分かることはある?」


眉を八の字にして一生懸命思い出そうしているけれど、きっと思い出せないんじゃない。知らないんだわ。それにしてもハウジック家ね…私はまだ会ったことはないけれど確か実家と仲の良い家じゃなかったかしら…?あまり覚えてないけれど聞いたことあるような気がする。


「あ、あの…僕…地下の窓もない部屋にいたから…あの…」


「うん、分かったわ。大丈夫よ」


「あ、あの!ジル…ジルっていう侍従が僕に言葉とか読み書きとか教えてくれたんだ。少し前から会えなくなったけどすごく優しくて、夜中にこっそり来てくれて食べ物をくれたりしてくれたんだ」


 良かった。ずっと独りじゃなかったのね。少し前から会えなくなったってことはきっとこっそりやっていたことがバレて追い出されたんでしょうね。さすがに殺されたりはしていないでしょうし…うーん、念のため探してみよう。


「優しくて素敵な人だったのね」


「うん!ジルだけは僕のことたたいたりしなかったし抱きしめてくれたり頭を撫でたり…僕に触れてくれてたんだ。あったかくて、大好きなんだ!」


「ふふ、そう。あなたがかしこいのも優しくて勇敢なのもそのジルのおかげなのね?感謝しなくてはね」


 ジルの話をしているうちに元気になったのか、いろいろと吹っ切れたのかたくさん喋ってくれるようになった。話の流れで三つの提案をしてもたら色々と興味があるらしくまずは執事体験してみたり、孤児院に見学に行ってみたりしてみたいとのことだったので一年後までに決めるよう話すと、戸惑ってはいたけれど嫌ではなさそうだし楽しみにしてくれているみたいで一安心ね。


 他愛も無い話をして気が付いたら窓の外は薄暗くなっていた。すぐに夕飯の時間になり、ライルと手を繋いで一緒に食堂に行くとお父様達はすでに食堂に集まっていたようだ。

 手を放して侍女に席に案内を託して私も席につく。もちろん彼には私の隣に座ってもらうのだけど、平均よりも小さいので椅子に登れずに侍女に抱き上げてもらい席に着いた姿があまりに可愛すぎて思わずグッと奥歯を噛みしめる。…元々ショタコンではないけれど幼い美少年は大好物よ!!!眼福だわあ~!


「…お父様、お祖父様、お祖母様。改めて紹介しますね。森で拾ったライルですわ。さあ、ライル挨拶はできるかしら?」


「はい!…えっとニーナ姉さまに拾ってもらいました!ライルです!!」


もうね、拍手喝采よ!心の中で!あああかわいい。白色の髪も白縹色の瞳も…何もかもが美そのもの!アルビノっぽくもあるんだけど、なんていうかこれはこれで幻想的な見た目で…もうっ…!ううう、かわいい!


「あらあら、本当に可愛らしい子ね?私はロア・ライラ・ローレルよ。ロアお祖母様と呼んでね」


「ワシはフラン・カリス・ローレルだ。フランお祖父様と呼ぶといい」


「ニーナの父でこの家の当主、ルミナ・ライナス・ローレルだ。好きに呼びなさい」


「はい!ありがとうございます!!」


「あなたの隣にいるのは私の護衛をしてくれている王国騎士の方々よ。今日は休養日で一緒に食事してもらうことにしたの。端からダリオ、ユーグリット、ベアドよ。あなたのこと見つけたときも一緒にいたから何か気が付いたことがあれば私でもいいしこの三人でもいいから話してね」


「はい!!あ、あの…本当にありがとうございました!」


 そういって座ったまま三人に頭を下げるライル。えらいわ!そんな健気で一生懸命な幼子の姿を見て微笑む美形騎士…やだ…ここ顔面偏差値高すぎない…?


「君が無事でよかった。困ったことたなどあれば僕たちも協力するから遠慮なく相談してくれ。呼び方も呼びやすいようにしてくれたらいい」


「は、はい!!ありがとうございます!僕頑張ります!」



 

「さあさあ、挨拶も済んだことですし、まずお食事にしましょうか」


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