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お久しぶりです…!
「…あのニーナ様、落ち着かれてすぐで申し訳ないのですが。先ほどの例の魔道具?についてもお教えいただけますか?」
「ええ、大丈夫よ。あれはね――」
移動陣についての詳細を話すとそれぞれ驚愕の表情のまま固まっちゃった。
「…ということで、今のところ王家と公爵家だけの移動方法ということなんです…」
「そうなんですね。…初めての経験でしたので一瞬で移動できてしまうことに関してはかなり驚きましたが王家が知っていることであれば私達が何か申し上げることもございません。王家の方々も公爵家の方々が懸念している通り悪用されてしまえば脅威ではあります。さらに今回の件で公になってしまう可能性もありますし取り扱い注意ですね…」
そう。そうなんです。今回のこの事件は間違いなく国を揺るがす大事件になるはず…そうなれば発見当時の話も詳しく話すことになるし魔の森から公爵家までの距離を考えたら今日私が公爵家に戻っていることは追及されるはずだし誤魔化すことも難しいはず。でも逆をいえばこの機会に法整備をすることを念頭において公開してしまうのもいいかもしれない。活用方法によっては、交易も視察も楽になるかもしれないわね。
騎士団の派遣にも役立つかもしれない。そうね、悪くないタイミングかもしれない。上層部とか文官たちには申し訳ないけれど国のためにもなるし頑張ってもらいたいところね。ついでに、王宮魔術師にも協力を仰ぎたい。今はコストがかかりすぎてしまってどうしても単価が抑えられないのが悩みなのよね。きっとこのままでは高位貴族も簡単に手は出せない貴重品扱いになってしまうもの。でももしかしたら研究すれば作りようによってもっと安価で簡単に作れるようになるかもしれない。そうなれば下位貴族も商人も平民でさえ使えるようになるかもしれないものね。むしろそうなってくれるのが理想だもの。
技術提供はするから国家事業にでもして投資してもらって研究してもらえばいいんだわ!そうすればうちの研究所は別のことに予算も時間も使えるものね!いい考えだわ!!
「ふふふ」
「に、ニーナ嬢…?」
「あ…ごめんなさい…ちょっと違うこと考えてしまったわ」
「いいえ、いいのです。考え事をしてるところ申し訳ございません」
ダリオ―!!!優しい!!ちょっと呆れた感じの顔してるけどそんなの気にしない!そこの二人も呆れた感じになってるけどこればかりはいつもの癖なんだもの。仕方ないじゃない…!ふんだ。
お父様やお祖母様お祖父様もこの屋敷の人達は慣れているから、いいもん。
「ダリオ、ユーグリット、ベアド。他に聞いておきたいことはあるかしら?」
「いえ、十分です。」
「私も」
「…一つ、いいですか」
…やっぱりユーグリットだけは誤魔化されないわよね…。
「ニーナ様は、光属性をお持ちなのでしょうか?」
「…うーん」
正直もう隠すのは無理があるのよね。言ってしまってもいいのだけれど…ちらりとお父様の方を見ると頷いてくれたので言ってもいいってことよね。じゃあまあいいか!
「そうね、ちゃんと話すわね。ただ隠しているわけではないけれど知られたくもないの。大げさにされても困ってしまうの。あまり言いふらしてほしくはないわ。できれば他言無用でお願い。」
「わかりました、お前らもいいな?」
三人が頷いたのを確認して、魔法に関して全属性使えること。精霊が見えていて上位精霊である光の精霊と闇の精霊と契約していることを話して、ミリィとブルーを紹介したらかなり驚いてた。というか驚きすぎたのか反応が薄くてちょっとだけ心配になったわよ?大丈夫でしょうね…?
「ちなみに、気になっているだろうから話すけれど今回なんで公爵家の護衛でなく王国騎士団に護衛の要請が出ているかについてちゃんとした理由があります。ただ誰にでもこの理由を話せるわけではないの。知っているのは極少数よ。ちなみに騎士団長、副団長は知らされている側よ」
「…いやあ、なんというか。普通のご令嬢ではないと思っていましたけど本当に普通ではなかったですね」
「あら、私は普通の令嬢でいたいのだけれど?」
「…無理ですね」
「まーたそんな呆れた顔して!ひどいわよ三人とも!」
ふんと顔をそらしてからふとある考えが浮かんで思わずミリィとブルーを凝視してしまった。
そうよ…なんで色無しは魔力が弱い人が多いの?というかなんで色素が薄い人ばかりなの?何か理由ってあるのかしら。
もしかしたら…
「ねえ、ミリィ。色素の薄い人間だけが魔力が弱いのって何か理由があったりするのかしら?」




