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「ええ、そうですわ。話している感じ彼はおそらく五歳くらいかしら。でもきっと頭の良い子なのね。自分の現状をしっかり理解しているように見えたわ。それと、きっとどこかの貴族家出身だと思うわ」


「そう。分かった。こんなこと許されていいことじゃない。騎士団にも、兄上にも俺が話を通そう。彼の保護がラナに任せていいか?」


「もちろんですわ。ローレル家で預かります。…貴族の方もどこの家か分かったら教えて下さるかしら」


「国として処罰はするが、それでは不満か?」


「いいえ、不満なんてないわ。でも、そうね。処罰されるにしても、処刑されるにしても、最期まで見届けたいの。この子のためにも、ね」


 そう答えると、リュス様は分かったと言ってくれて、ひとまず今日は帰ろうってことになった。私とレイラ様、リュス様はそれぞれ移動陣を出してそれぞれ帰ることにした。


私はライルと護衛達を連れて領地へ。レイラ様は王宮へ、リュス様は騎士団へ。


 きっと明日のお出かけは行けないわね。楽しみにしていたのだけど仕方ないわ。その知らせも出しておかなければいけないわね。もしかしたら数日は行けないかもしれないからロイ先生にも使いを出しましょう。


 ベアドがライルを抱えてくれて、私とライル、護衛三人で領地に戻るには二手に分かれる必要があるが今のところ移動陣は私とリュス様、レイラ様しか知らないし起動に使う魔法石も私達しか持っていない。

私は先にダリオとユーグリットを領地に送るために移動陣を起動させる。次は私とベアド、ライル。






 移動陣を起動させて魔力を流すと一気に視界が変わり、公爵邸の目の前に降り立った。


 先に送った二人は完全に驚いていて、何か聞きたそうな顔をしているけれど先に公爵邸に足を進めた。説明はするけれど、まずはこっちからね。


 急に帰った私に気が付いた執事長が慌てて走り寄ってくるのが見えた。


「ザイン、急にごめんなさい。事情があって帰ってきたの。お父様、お爺様、お婆様はいるかしら?」


「お嬢様…!驚きましたぞ!皆様お揃いです。談話室におりますが、そのまま向かいますかな?」


「ええ、彼らも一緒に。先に伝えてきてくれるかしら?」


「お任せください。おお、忘れるところでした。お嬢様」


「なあに、ザイン」


「お帰りなさいませ」


「あら、ふふ。ありがとう。ただいま戻りましたわ」



 ザインに先に知らせに向かわせて私たちは荷物をメイドに任せて、すぐに談話室に向かうことにするといまだに移動陣について聞きたい欲が表に出ていて少しだけ笑ってしまう。彼らにはあとでちゃんと説明するから、先にこっちよ、というと切り替えてくれてすぐにいつもの様子に戻った。素直でよろしい。それにしてもなぜか彼らの私を見る目がいつもと違うように思うのだけどなぜかしら…?




「おお、ニーナ!夏季休暇が終わってすぐに戻ってくるなんてどうかしたのかい?」


「ええ、少しね。さて、貴方たちも今は座ってくれるかしら。一緒に話に参加してほしいの」


 短く返事をして、座ってくれる彼らに心の中で感謝して、目の前に置かれたお茶に手を伸ばす。一口飲むとふんわりとはちみつの甘い香りがして、ほっとする。きっとザインが指示してくれたのね、ありがたいわ。おいしい。糖分を摂取したことで疲れがなくなるような感覚がして、同時に僅かに眠気が襲う。きっと光魔法を使ったからね…。


(ミリィ、ブルー!こちらに来てくれるかしら?)


 頭の中でそう話しかけるとすぐに彼らは私の肩に戻ってきた。森にいくために寮で留守番しててもらったのだけど、彼らもきっと現状を見通してくれているはずね。


 「さて、何から話そうかしら…」



 森に行ったこと、森で子供の声を聞いて探したらこの子がいたこと。それと、その木の下には”幼い子供の人骨”がたくさんあったこと。レイラ様もリュス様も騎士団もおそらくこのことを調べ出すことを伝え終わると、口を挟まずに聞いてくれていたお爺様もお婆様もお父様も怒りで震えている。

 

 こうして怒る彼ら見て心から思う。

 良かった、彼らの家族でいれることが嬉しい、と。


 「ライルの保護は私がしますわ。よろしいかしら?」


「もちろんだ。私達も協力しよう」


「もちろんよ。ラナ、私はあなたを誇りに思うわ」


「私もだ。早速王宮と団長に連絡を取ろう。こちらでも人員を出す」


「ふふ、ありがとう、お父様、お爺様、お婆様。きっと反対しないと思ったわ。私、三人の家族でいられることが何より嬉しいわ。大好きよ」


 


 

 

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