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あれから私考案の魔道具の売り上げがどうとか、この魔道具をこう改良したいとか、完成したマジックバックの説明を聞いてギリギリセーフな感じで夕飯の時間に邸に戻ってきました!
アーサー様もネロ様もマジックバックに興味深々でいつ売り出すの?って興奮しててやばかった。
私は私の欲しいものを作ってもらってるだけだけど、目の前で使ってるとか欲しいとかって意見聞くとちょっと…いやかなり嬉しい。売れ行きを見ている感じでも、好評みたいで良かった。マジックバックのサンプルはもらってきたから後でお父様にお見せしなきゃ。
「それにしてもニーナは凄いなあ、どこからあんなアイデアが出てくるの?さっき案を出していたレイゾウコ、だっけあれもちゃんと機能したら凄いことになりそうだ。一緒にいて飽きないなあ」
「やっぱり不思議だね、ニーナは。魔力も属性もその色合いも。一緒にいると楽しそう」
まあ。お二人とも、そんなこと言ってもマジックバックを優先してあげることしかできませんからね?
自分のやりたいことをやりたいようにやってるだけだから、そう言われても正直ピンとはこないけど。
でもまあ、少しでも人々の暮らしが楽になるといいなあとは思う。かといって魔法がある世界だから、車とか電車とか飛行機とかよりは魔法石を使った何か、の方が需要はありそうな感じはするのよね。だから、まあ、いつかアイデア出し尽くしてしまいそうな予感はしますね。魔道具に関しては。
まだまだ食に関する欲は満たしきっていないので、この事も追い追い手をつけていきたい…追い追いね。
「あ、そうだ。リュス様、レイラ様、アーサー様、ネロ様明日のご予定って何かありますか?何もなければ、一緒に湖にピクニックに行きません?」
「いいね、行こう。でもラナ、あの事はいいの?」
「ええ、それについて明日お話ししようかと。今後のお付き合いのこともありますし、ね?」
「ま、お前が良いんならいいんじゃないか。副団長はどうですか?
「俺もいいよー!楽しそうだね、ピクニック」
「…僕も」
ってことでレッツラ!湖ピクニックー!
「メリー!メリーはどこにいるかしら!呼んできてもらえる?」
夕食後、私室に戻ってすぐに“ある事”をしようとどこかに行っているメリーを呼ぶよう通りかかったメイドに声を掛けるとしばらくしてメリーが慌てたようにして戻ってきた。
「まあ、そんなに慌てなくて大丈夫ですのに。急がしてごめん、メリー。あのね、」
「明日のお弁当のことでございますか?」
よく分かってるー
そう、“あの事”とは毎年恒例のピクニックだけどマフィンとか焼きお菓子しか持っていかないのがずっと気掛かりだったの。だから作ってしまいました!パン酵母!
ってことで、ふわふわパンを作って明日はクロワッサンサンドイッチ作ろう。それぞれが私室にいるこの時間ならバレずに作れるかしら。寝る前にどこまで作ろうかしら。…って、あれ?そういえばマジックバックに入れておけば時間は進まないし腐ることもない…ってことは!マジックバックに入れておけば、出来立てで提供できるのでは?
それだー!
「メリー今から作りに行きましょう!私専用の厨房に! 」
「え! 今からですか⁈…ってちょっ!お嬢様お待ちください〜! 」
ふふふ、酵母はできてるので善は急げです。少し意味合いは違うかもしれないけど、成功したらバターたっぷり使った外はサクサク、中はふわふわなクロワッサンが食べられると思うともう胸がときめいちゃう。
「ふふふ、楽しみだわ」
「ニーナ?こんな時間に何してるの?」
「きゃああ!びっくりした…!」
厨房に移動して、作業を始めようとしたら背後からアーサー様に声を掛けられた。なんで、彼がここに?
「あ、アーサー様⁈ なぜこちらに?」
「いや、君を散歩に誘おうと思ってきてみたらここに入っていくのが見えて」
「そうなんですのね、でもごめんなさい。少しやることがあるの。またでもよろしいかしら?」
そう言うと、何かを考えるようにして少し黙ったアーサー様だけど最後にはニッコリと微笑んで、もちろんだよって言ってくれました。
「ちなみに、俺もここで見学しててもいい?」
「え、ああ、まぁいいですけど。淑女にあるまじきことしますわよ、今から」
「気にしないよ。何するのか楽しみ」
「ふふ、ではできたら後で感想教えてくださいね」
こうしてなぜか、メリーとの明日のお弁当作りをアーサー様が見学することになって三人で厨房に籠ることになりました。
私はもうクロワッサンのことで頭がいっぱいなので、正直いてもいなくてもどっちでもいい、なんて思ってしまって。出来上がりのことしか考えられなくなりました。
(クロワッサン〜!クロワッサン〜!)
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