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 先に向かったレイラ様が先生に話してくれたおかげで、場を整えることができるそうです。

 ただし、授業でやるのはNGなので、放課後にこの鍛錬場を開放してくださるとのこと。


 (今頃きっとあの金髪ド派手女が調子良く噂を垂れ流しているのでしょうね…)


授業は滞りなく終えることができましたけれど、今日の講師として招かれたという魔術師…アレ攻略対象ね。名前はオリバー・ネロ・ルフォン。確か伯爵家の方ね。

 魔術団での実力は相当なものなのよね?


 それにしても授業中、彼にずっと見られていたような気がしたのだけど気のせいかしら?


「ふぅ、ようやくランチね」


「ねえ――」


「ひっ?!」


 いきなり背後に現れて声を掛けてきたのは、先ほどの授業で講師をやってくださったルフォン様ね。

び、びっくりしたーーー


「あ…ルフォン様でしたか。失礼しました。驚いてしまいましたわ」


「…や、大丈夫。それより君さ、その魔力量、なに?」


「え…?」


「なんで君、そんなに魔力あるのに魔力無しって言われてるの?色無しなのに尋常じゃないくらい魔力あるじゃん」


 怪しんでいるのか、問い詰めるようにして質問攻めされて思わず後ずさったら背後はもう壁。どうしよう逃げ道塞がれてしまったわ…


「あ…あの…私別に魔力無いなんて誰にも一言も言ってません…」


 頑張って答えたのにそれでも詰め寄ってくるから、いつぞやの再現をされているみたいで震えた。

 だめだ、こういう人って話通じないのよね…レイラさまああああたすけてえええ


「へえ。じゃあ君のその見た目は偽物なの?全体的に色素っは薄いように見えるけどこんなに魔力がある人僕見たことないよ?何を隠してるの?」


「ヒッ…」


「はーい!そこまで。馬鹿ネロ!女の子にそんなに詰め寄ったら可哀想でしょうが。ほら、こんなに怯えてるじゃん。ったくもー!本当に魔法馬鹿も大概にしろよ?」


ルフォン様の首ねっこを引っ張り上げて片手で持ち上げてお説教しているのは…騎士の方かしら?

 た、たすかった…


「ラナ⁈どうした!なんかあったのか?」


壁にもたれるようにしてそのままヘナヘナと床に座り込んだところで私に気が付いたリュス様が駆け寄ってきてくれた。その馴染みの姿を見たら恐怖を通り越して怒りが増してきてしまう。


「リュ、リュス様ああああ!この方こわいです!いきなり質問攻めされてその見た目は偽物なのか、なんて言って詰め寄ってこられましたの!産まれたままの姿ですのに失礼しちゃうわ!!なんでって聞かれたってそんなのまさに神のみぞ知るってやつではなくて?!」


 フンッと怒りすぎてルフォン様から顔を背けるようにして怒っているとふいに頭の上の方から「ブッ」と吹き出すような声がした。


「な、な、!なんですの?騎士様!なんで笑っていらっしゃるかしら?!」


「いやあ、ごめんごめん。ご令嬢の口からまさか産まれたままの姿だって主張されるとは思ってなくて。でも本当にそうだね?見た目のことなんて産まれてこなければ分からないし、なぜその見た目になったかなんて自分では知り得ない、まさに神のみぞ知る、だね。てことで、ネロ!しっかり謝る!」


「ご、ごめん…気になってつい…怒った?」


「怒ってますっっ!仮にも未婚の女性にそのような暴挙…許されませんわよ?もう今後一切なさらないでくださいませ」


まだ騎士様に片手で持ち上げられている体制のままのルフォン様を見上げているとリュス様が手を貸してくれて、立ち上がらせてくれた。そのままキッと睨みつけると、そこには耳の垂れた犬…?猫…?のような落ち込むルフォン様。

 な…攻略対象者なだけあって近くでよく見ると白く透き通るような肌と今はボサボサだけどきっと丁寧に手入れしたら綺麗であろう黒髪。黒い瞳に涙を浮かべたままこちらを見つめている。美!美少年?!あ、ちがう美青年ね?!


「ごめんね。え、っと君の名前は…?」


「私、ニーナ・ラナ・ローレルと申しますわ。以後お見知り置きを。もういいですから、騎士様も降ろしてさしあげて?」


「お、いいのかい?では。リュス様、今日は騎士団の訓練は休みだ。それを伝えにきた」


「アーサー副団長!分かりました。ではまた後日」


「あ、ちょい待ち。ローレル公爵令嬢、俺はアーサー・グラン・アヴェールだ。アヴェール公爵家の次男の方な。騎士団では副団長なんて位置にいるがまた何かあれば気軽に頼ってくれ。では」


あら…?アーサー様…?

 またもや攻略対象者?!なんでこんなにも遭遇してしまうのかしら…しかもこんなにサラッと…

あー…なんか考えるが面倒になってきましたわ。本当に今日はもう疲れました。まだこれから魔法試合がありますけれど。

初日から色々と面倒なことにはなりましたが、ひとまず甘いものが食べたいですわ。あとメリーが入れてくれたお茶も飲みたい…

公爵邸に帰りたい。


「はぁ、早速ホームシックですわね…」


「って、そういえばお前!なんで魔法試合なんてことになったんだ?!」


「あーー…もう話すと長いのでお食事しながらでもよろしくて?さすがに疲れましたわ…」

ブクマ数が着々と増えていく…ありがとうございます!

嬉しい!

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