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「呪いをかけられたの? とけないの? 何故、私?」
とりえず、全て聞いてみました。
「考えられるのは破邪か?」
「そうですね。詳しく調べて見なければ分かりませんが、その可能性が高いでしょう」
「破邪?」
埴輪系では無いですよねと、惚けるのはさておき。父のことは殆ど知らないからなー。母の方かもしれませんが、確か親族同士で結婚したとは聞いたような。
「お前、五歳なのにしっかり話についてきてるし、突っ込めるし凄いな」
白ズボーン! そういう疑いは止めてよね。黒ズボンさんが私をしっかり自分にくっつけて、雰囲気を変えたよ。なに? 何したの?
「・・・ここには私たち以外はいないようですが。この体格から言って、姿を偽っている可能性は低いですし、スパイというのも」
「まあな。逃げたがってたもんな」
「それを含めて演技の可能性もありますが、私の呪いに干渉できてしまったのは目立ちすぎですね」
スパイ! なんと! そこまで飛躍しますか。小学生探偵さん、聞いていますか? 意外と成り立つようですよ。転生して中身だけ老成しているってパターンは考えにくいですもんね。以前は一部では大流行りの、良くあることでしたけど・・・。
「とりあえず、連れて帰るんだろ?」
「ええ」
「え!?」
「一人で帰らせられないってのは、分かるよな?」
分かりたくないです、白ズボンさん。
「ご両親に許可を頂く」
「心配するな。グレゴリウスはいい奴だから!」
それは安心と言えますか!?
「母しかいません」
「ん?」
「先に、家のことを聞いておいた方が良さそうですね。皇子、ご協力願います」
おや。皇子だと明かしちゃいます? うーん。遠慮したい。
「勿論だ! 今更だが、俺も名乗っておくか」
「いえ。皇子だと分かれば充分です」
「おいっ! 名乗らせろよ!」
「結構です」
「本当に、子供っぽくないな。それで、大人だったら不敬になるぞ!」
知ってるー。子供だし、ここに三人しかいないからできる技だよね。皇子はそう言う所、煩くなさそう。黒ズボンさんこと、グレゴリウスさんのことをとっても大事にしている点から見てもね。
「マリナ嬢。分かって、やっているならいいが、気を付けるように」
「・・・はーい」
「おい、態度、違うぞ!!」
つーん。ぷーい。
「皇子も落ち着いて。ストラ家について何かご存知ですか?」
「ストラ、ストラねー・・・」
「破邪で私はあまり馴染みが無いので、文官系とは思いますが」
「そうだな。武官系のグレゴリウスが知らないとなると、祭事系の文官。うーん。俺も武官系だからなー。聞いたことはあったような・・・。霊廟系の話で出てきたようなー・・・」
「皇子でもご存じないとなると、難しそうですね」