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のせてこっ  作者:
第二章 腕に
3/29

 リレーされたんですが、そう言えば黒ズボンさんは右手に杖を持っていたはず。え? 私を片腕で抱きますか? 杖を持っている方で? いやいや、危ないよ、私が。怖いでしょう! と思っていたら、左腕に捕まらせられました? 杖を持っていない方ね。余計、危なくない?


「よしっ」


 白ズボンさん、「よしっ」じゃないから! 落ちるでしょう! 落ちちゃうでしょう!! 黒ズボンさんの勿論、黒長袖の腕にしがみ付きますよ。ズルズル下がってるー。お。止まりました。腕が良い角度ですよ。その調子! しかも杖を持ったままですが、右手も添えられて、良かった。


「やはり・・・」

「動くな」


 何、またですか。二人の内緒話。あんまりするなら、妄想を掻き立てちゃうぞ! 後悔しても遅いんだからね。ふふふ。


「名前は?」


 一人、人様に言えない妄想をしていると、問い掛けられました。えー。どうしようかな。


「聞こえているよな? え? この子、無視?」

「聞こえているでしょうが、言いたくは無いのでしょう」


 そうですね。


「うーわー。これぐらいの子ってどうしたらいい訳? おやつでもあげれば機嫌とれるかな?」


 そんなことを聞かせている時点で、期限は最底辺ですよ、頭を抱えている白ズボンさん。


「・・・失礼しました。私はグレゴリウス・サマラと申します。お名前をお伺いしてもよろしいでしょうか」


 一気に切り替えた、黒ズボンさんが最終手段に出ましたよ。はー。正式に名乗られちゃあ、仕方が無い。やりましょう。母と自己紹介だけは勉強したのです。えっへん。


「・・・ご丁寧に、ありがとうございます。マリナ・ストラと申します」


 でもさ。逃がさないとばかりに抱き上げたままで、正式な挨拶しますかね? 正式な挨拶は動作も付くんだったかなー? 何分、不勉強で。

 ねえ、そろそろ降ろして、帰して貰えませんかね? 拐で騒ぎますよ!

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