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「グレゴリウス、いつの間に産んだんだ?」
皇子は相変わらず残念だ。
「私は産んでいません。父の子です」
両腕の中の二人の赤子を穏やかにあやしながら、グレゴリウスさんが答えます。
「それって、自分のきょうだいだろ?」
「そうとも言いますね。弟と妹です」
左腕と右腕を見やりながら、皇子に弟と妹を紹介します。二人は頼りになるグレゴリウスさんの腕の中で、大人しく昼寝中です。
「・・・双子か?」
「三つ子です」
「三つ子!!」
皇子が驚きで仰け反った。皇子、声が大きい! 起きちゃうでしょ!
「もう一人はどうした?」
「母が食事をさせています」
「そうか。もう一人は、弟か? 妹か?」
「弟です。分担して育てています」
「どういう分担だ?」
三つ子ですからね。手が空いている者は誰でも、助けに入ります。勿論、サマラ家では一人でも双子でも手厚く面倒を見てくれます。それにしても、聞いちゃいますか皇子。
「父が妹を、母と義母が弟を」
「グレゴリウスは入っていないのか?」
「ええ」
何故、自分が組み込まれるのかという顔で皇子に返しているグレゴリウスさん。私はグレゴリウスさんの横に自分の足で立っています。触れている場所はありません。
もう、呪いはありません。不思議な超常現象で、呪いの元は持ち去られていったようです。詳しく知るのは怖いので、ここまでで。
皇子とグレゴリウスさんの会話は続いています。
「母達が妹の教育を心配しまして」
「それで、ゲオルギウス殿に?」
「はい」
母達は女の子を育てる自信がと言い出したのだ。そんなことないのに。我が母は私がいる、義母は自分がいるから無理だと言う。へーんなの。確信しているのだが、義父はきっと素敵な子を育ててくれるだろう。無論、母と義母も。




