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のせてこっ  作者:
第九章 肘に
28/29

 では第二段階です。皇子に一人ずつ連れ出して貰います。あの肘を三角に差し出して女性が手を掛ける感じです。こちらではそんな感じの作法です。他にも色々あるらしいですけど、追々ね。

 怖い。皇子の本気、背筋が凍ります。本当にグレゴリウスさんのこと、大好きですよね。若干、余裕が無くなって鬼気迫るものがあります。少し、抑えて。それじゃあ女性にモテませんよ! どの女性も戻って来る時は微笑みが深まっていたり、頬が上気していたり、上の空だったり、目が爛々と輝いていたり、感心していたり、ぼんやりしていたり、嬉しそうな様子が隠しきれなそうだったり、目がハートだったりしました。

 はい。色々手管が使われまして、結果です。正統派な美少女、桃色妖精さんが選ばれました。拍手―!! 皇子に連れ出された時はグレゴリウスさんからキュピンキュピンと二回続けてウインクが来ましたよ。そんなにですか! それにしても器用ですね。他の方ではグレゴリウスさんの動きはありませんでした。

 最後の第三段階。今日はこれで一旦終了です。女性陣には舞台の稽古だとか、小説の題材でとか、懸想している方に疑われているから協力して欲しいとか色々お願いして、グレゴリウスさんを振って貰います。わー。やだー。でも、これが一番マイルドかなと。

 では、皆さん捨て台詞のように個別に振ってからのお帰りです。グレゴリウスさんの左の青い瞳のウインクが止まりません。これは好みのタイプは関係なく、効果があるようですね。最後の一人、大本命。桃色妖精さん、どうぞ。


「私、あなたはタイプじゃないの」


 桃色妖精さん、切れ味抜群。でも、私を見ていません? もしかしてグレゴリウスさんロリコンだと思われている!? ごめんね。グレゴリウスさんはそんなことを気にする素振りも見せずに、ウインクです。


「あなた、それでは一生、結婚できないわよ」

「私、あなたとだけは無理」


 桃色妖精さんは次々と台詞を続けます。どれも絶妙に、誰にでも応用できる言葉です。この方は言い寄ってくる人の捌き方でも習ったんでしょうか。今日、来て頂いた方は皆さん凄くモテそうですからね。

 何故か、桃色妖精さんはグレゴリウスさんの斜め上の虚空を見て、微笑んだ。うわー。ズキュンとくるー!!


「あなたが良いわ」


 え? 見えてる?


「まあっ。ふふふ。粋の良いのが手に入ったわ」


 呆然と去っていく、後ろ姿も可憐な桃色妖精さんを見送った。あれ? 何が起こった? 何をした? あれれ? 桃色神官さんだった? もしくは、除霊師さん? グレゴリウスさん、呪いどう!?


「とけた・・・?」

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