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のせてこっ  作者:
第七章 腕枕に
23/29

 皇子がやってくれました! やらかした方ではなく、霊廟へ入れるように手配してくれました。こっそり家業の見学は無理ですが、霊廟に行けます。元々立ち入りが制限されているので、ストラ家が仕事をしていない時を選んで警備の目を潜り抜けて入る計画となました。流石、皇子。警備を抱き込むのは、それはそれで危険がありますからね。警備の隙を突くなら、子供(私)が入り込み、それを追いかけたグレゴリウスさんという言い訳が通用します。

 今更ですが、幽霊に対して何の備えも出来ていないのですが、大丈夫でしょうか。見えないことを切に願います。勿論、相互干渉無しです。呪いのことは知りたいですが、心霊現象とかは勘弁です。ホラーは苦手なのです。


「幽霊・・・」

「マリナ嬢、どうした?」

「霊的なものが視えてしまったりするんでしょうか・・・」

「どうだろう?」

「ええっと、見たり触れたり、触られたりしたら全速力で逃げましょう」


 私の鬼気迫る様子に、上半身だけ仰け反らせたグレゴリウスさんが答えます。


「善処しよう」

「確約して下さい!!」

「・・・分かった。だが、呪いを退けられるなら、そういったものも寄せ付けないこともできるのでは?」


 え? できるの? 私の力って除霊もできるの? 呪いも実感は無いんだけど・・・。だって、呪いも抑えているだけだよ? 幽霊も近付かないようにはできるかもしれないけど・・・。囲まれたら? 遠巻きに見られるのもちょっと遠慮したいよね。


「私でどうにかできそうなら、駆け足程度で逃げてくれても大丈夫です」

「そうか・・・」


 呆れたグレゴリウスさんには申し訳ないですが、苦手なものは仕方が無いと思います。

 そんな暢気な掛け合いをしながら、誰もフラグを立てなかったので、霊廟にすんなり入れました。


 私の目には静謐で歩くとコツコツと鳴る白いピカピカの石の床と、銀色の文字が書かれた白いプレートが規則正しく並んでいるようにしか見えません。

 やったー!! 賭けに勝った気分です。目を見開き、キョロキョロしますが最初に視界に入ったもの以外、目新しいものは見えません。

 おや? 私を抱いているグレゴリウスさんの腕に力が入りました。何か見えているんでしょうか?


(其方、何者だ?)

「マリナ嬢・・・幽霊とはどのような特徴を持っているか、知っているか?」

「え? 幽霊は足が透けているのが一般的ではないでしょうか」

「・・・そうか」

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