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のせてこっ  作者:
第一章 足に
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 一方の白ズボンさんは黒ズボンさんと対照的に白っぽい。キラッキラの金髪に碧の瞳で、全身白とまではいかないけれど、所々に緑や金色の差し色が使われている豪奢な衣装だ。正統派の格好良い優等生的な王子って感じ、多分・・・皇子で、第二皇子だろうと思う。第一皇子はきっともっと物々しく守られて奥にいそう。勝手な予想だけど。結構、第二皇子と第三皇子の歳は離れているね。


「何故、ここに子供が?」

「おい、足、足は本当に大丈夫なのか?」


 白ズボンさんは黒ズボンさんの足をやたらと心配しているけど、怪我でもしているんだろうか? それなら、いつまでも足の上にお邪魔しているのは申し訳ない。別に傷口に塩を塗りたい程、黒ズボンさんに恨みがある訳ではないのだ。初対面だし。あ、杖、持ってる! 退避ー!! ごめんなさーい。降りる、降りる。足が悪いとは知らなかったんです。・・・でも、持ち上がっていたよ?


「何か、御存知ですか?」

「あ、ああ。今日は第三皇子の友人選びだったはずだ」

「そうですか。この子はここにいていいのでしょうか?」

「良くないんじゃないのか?」


 黒ズボンさんの足にくっついたままの、私の内心の荒れ模様なんて気にすることなく、話は進んでいく。


「大丈夫」

「大丈夫では、無いだろう。名前は?」


 白ズボンさんは私が話し出したので、少し下がり黒ズボンさんが前に出た。位置じゃなくて、話し合う場の前面に出たって感じね。降ろして貰う、チャンス! 問い掛けるために足が降ろされたので、すかさず手を離した。きりっとした顔を心掛けて、聞いた。


「大丈夫です。どっちに戻ればいいですか?」

「本当に、大丈夫か? あちらに戻ればいい」

「ありがとうございました。失礼致します」


 二人にペコリとお辞儀をして、すたこらさっさと駆け出す。


「ま、待って、くぅっ」

「待て!」


 んんん? 何? 何が起こったの? こちらの礼儀作法は習っていないので、母と私はそれどころでは無かったのだ。それは、いいとして。駆け出した、まだ声掛けられているけど、まあいいだろうと走り続けようとしたら、誰かが息をのみ、私は空中を走ることになったとさ。おーい。


「皇子。何かあったらどうするおつもりですか?」

「それはこちらの台詞だろう? 私がこの子を捕まえなかったら、どうなっていたか!」


 ええー。私は危険物ですか。遺憾です。両脇に手を差し入れられて、持ち上げられてしまっているので、足を動かすのは止めました。礼儀がなっていませんでしたか? それくらい大目に見て欲しい。五歳児だよ!


「それは助かりましたが、迂闊なことは控えて下さい」

「・・・分かった。それじゃあ、この子が何処の誰だが聞いておこう」

「反省をお願いします。その子をこちらに」

「大丈夫なのか?」

「多分」


 私は白ズボンさんから黒ズボンさんへ、リレーされました。何なんでしょうねー。二人で分かったような感じでやーねー。

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