3
私は自分の外見が、周りのお膳立てで選ばれた両親からの力の掛け合わせだとは思っていなかった。両親はそんなこと関係なしに、慈しんで育ててくれたからなー。と、つらつらと考えているとグレゴリウスさんを中心に話は進んでいた。
「成程、それではマリナ嬢もまたストラ家の家業を継承していないと?」
「突然に夫が亡くなり、義両親もその前に旅立っておりますので・・・」
「でも、力は発揮できているのよね? グレゴリウスの呪いが散らされているのだし」
「そうだろうな。新しいストラ家の当主には悪いが、我々にとっては朗報だな」
「元々、代理で当主にたっていたのです。知らなかったとは主張できません」
母は仕返しをして喜ぶ人ではありませんが、私達に非は無いと後押しされていることでほっとしています。
「グレゴリウス、その辺りはきちんとやったのでしょうね?」
「はい。母上、滞りなく」
「後で確認するから、見せなさい」
「流石、カサンドラは頼りになるな」
ええっと。これは通常なのね。暴走を収めるために掌の上で転がされている訳では無く、ゲオルギウスさんの溢れる愛情でこんなことになっているんだ。わお。褒めるゲオルギウスさんと、素晴らしい夫婦愛に嬉しそうにしながら照れるカサンドラさん。
それにしても力ってどうやって発揮させるんだろうね? 特に何もしているつもりが無いんだよなー。いるだけというか、触れるだけでどうにかなるならいいんだけど・・・。今はそんな感じだし。よし。
「はい」
「どうした? マリナ嬢」
「私の力はどうやって発揮されているんでしょうか?」
全員が、悩ましい顔になる。あ、誰も知らないし、分からないのか。確かになー。目に見えないし。母が思案気な顔を私に向けました。
「マリナは力を発揮している実感は無いの?」
「うん。よく、分かんないの。でも、グレゴリウスさんの呪いは抑えられているでしょう?」
「マリナ嬢の認識は抑えているのか?」
「え?」
グレゴリウスさんに聞かれて、無意識だったことに気が付いた。あれ? 皆は散るって言ってたね。
「うーん。散ったら無くなっちゃう気がして、表に出ないようにしているだけかもしれないなって。多分、離れた時に内側から出てくるみたいに見えるからかも」
「ほう」
「あら」
グレゴリウスさんのご両親は私が離れた所を見ていないからね。母は昨日夜に見たんだと思う。母と一緒の部屋で寝てたしね。
「ご覧になりますか?」
「いや、いい。マリナ嬢が気を使って離れないでいてくれるんだ」
「そうね。あたくしもマリナさんの感じる言葉だけで結構よ」
うん。どうもありがとうございます。あれはきっと何度も繰り返すもんじゃない。あ・・・。そうなるともしかして、寝る時も一緒かー。ふふふ。五歳児に、同衾を戸惑う気持ちはありません。どんとこい!
私が決意を新たにしていると、母が提案していた。
「霊廟に行ってみれば、何か分かるかもしれません」
「確かに。父上。霊廟へは行けるでしょうか?」
「安らかな眠りを守る場所だからな。皇子にお伺いしてみるしか無いだろう」
「あなた、ストラ家の家業は霊廟に行くだけですの?」
「そこも調べられるか分からんな。一緒にお伺いしてくれ」
「分かりました」
大人が色々してくれるから、楽―。なんか、眠いな。




