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「母上、こちらは、婚約者の母上のアンナ・ストラ殿と婚約者のマリナ・ストラ殿です」
母は礼をするだけですが、私は呪いが退けられたグレゴリウスさんをよく見て欲しくて、挨拶をしました。
「こんにちは」
「え、ええ。こんにちは・・・? 婚約者は随分幼いのね、グレゴリウス。それと、その顔と身体! 治ったの!?」
また少し興奮気味になってしまって身を乗り出すカサンドラさんを、一撫でで真っ赤にして大人しくさせるゲオルギウスさんの見事さ。見習いたいが、私は何かに応用できるかな?
「いいえ。マリナ嬢の力をお借りしているのでこの状態です」
グレゴリウスさんと離れて見せた方が、説得力があるとは思うのですがそれはまた今度。言葉だけで分かって貰いましょう。
「そうなの。それでそんなに小さな婚約者が」
「はい。協力頂いています」
「私が夫を亡くしていることと、マリナもまだ幼いので一緒にこちらに滞在させて頂いております」
カサンドラさんの頭が冷静に動き始めたのでしょう。深い葡萄酒色の瞳が煌きます。
「問題は無いのね?」
「母上に手伝って頂くことは、今はありません」
「カサンドラには何れ、助けて貰うことになる。急な話で、驚かせて悪かったな」
「い、いえ。そんな」
ツンデレのツデレデくらいでしょうか。仲良しで何よりです。やっぱり、自分で恋愛するより仲の良い人見る方が好きだな。今更、気が付いちゃったんだけど、私が一番年上? グレゴリウスさんのご両親若いよね。グレゴリウスさんも十代だよね。ひえー。私の精神、素晴らしいよ。孫を見るような気持ちになるはずだ。
「アンナ殿、父上、母上、マリナ嬢の力に心当たりは?」
「あるにはあるが・・・」
「あたくしも霊廟関係の役職としか」
ゲオルギウスさんとカサンドラさんはストラ家の力に心当たりがあるようです。さて、大本命の母は?
「ストラ家は霊廟を治めることを役目とする家柄でございます。そして、血縁の中で一番の力を持つのがマリナです」
「破邪を?」
グレゴリウスさんが一番気になっているところを問い掛けてきます。
「詳しくは分かりません。私も分家の出で、夫の仕事を見聞きしたことはありません」
「特殊な力を持って行う家業だ。後継者以外には秘密だろう」
ゲオルギウスさんがさもありなんと頷く傍らで、カサンドラさんが疑問を呈す。
「それでは、ストラの家業はどうなるの? マリナさんが、一番力があるのでしょう?」
「はいそう言われております。聖なる白を持つ者が一番の力を持つと」
はー。そうなのか。それで私、とっても全体が白っぽいんだ。知らなかったー。ただ、色素が薄めなだけだと思っていたけど、狙って産まれたのか。




