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目覚めたら、綺麗な部屋でした。ベッドも天蓋付き!! お姫様―。わーい。一回、こんな所で寝てみたかったんだ。飛び跳ねたら、駄目だよね。自重します。
「マリナ、起きた?」
「お母さん、おはよう? ここ、何処?」
「サマラさんのお家よ」
「引っ越したの?」
「ええ。そうね」
おお。早速、母もろとも引き取って貰えるとは、有り難い。それにお母さんの顔色が良いし、輝くような美しさだよ。綺麗な人だとは思っていたけど、凄い。プラチナブロンドに淡いグレーの瞳は、朝陽に溶けそうです。
「お母さん、綺麗!」
「本当に、素敵なお部屋ね」
「うん。それもだけど、お母さんも!」
「まあ。ありがとう、マリナ。朝食の前にご挨拶と説明をしていただけるそうなの。行きましょう」
「はい」
私、寝ちゃいましたからね。良い子の返事で、母と部屋を出ると何処からともなくピシッと制服を着た人が現れて、先導してくれました。この家で働いている人はどの位いるんだろう? 全てが上品に磨き込まれています。ほわー。ひえー。広いー。お金持ちー。そうだろうとは思っていたけど、私、良く捕まえた! 自画自賛していると、歩いて行った先の扉が開かれる。始めの挨拶、大事だよ。
「おはようございます」
「おはようございます」
「おはよう。よく休めただろうか?」
大きいー。答えてくれたのは、多分、グレゴリウスさんのお父さん? 色合いは半分一緒で、全体的に1.5倍増し。凄い迫力。黒っぽいのは一緒だね。連絡がいったのか、部屋の扉を開けて直ぐに二人が立って待っていてくれました。
「はい。ありがとうございます。私も娘もしっかり体を休めることができました」
グレゴリウスさんとも挨拶します。
「おはよう。マリナ嬢にはまだ紹介していなかったな。父だ」
「グレゴリウスの父親のゲオルギウスだ。息子に尽力、頂けると聞いた。本当に有難う」
近くに来ると更なるド迫力ですね。でも息子さんのこと、本当に大切に思っているんだなということが伝わってきます。こんな小さな相手に真摯に対峙して貰えるとは。
「こちらこそ。よろしくお願い致します」
礼をした私の目の前にズンズンとやってきたゲオルギウスさんは、腕を伸ばして抱き上げてくれました。
「可愛いなー。挨拶も素晴らしいぞ」
えへへ。私は、褒められて伸びるタイプです。どんどん、どうぞ。一度、高く放って貰った後、肩に乗せるようにして移動してくれます。それくらい天井も高くて、部屋が広いんですよ。
「父に抱き上げられて泣かないとは」
え? グレゴリウスさん何か言いました?
「そーれ」
ゲオルギウスさんの掛け声と共に高い高いして貰って、ひゃははと喜んでいたらグレゴリウスさんの呟きを聞き逃したかもしれません。ついつい、子供に戻ってました。もう一度、言って貰えませんか?
「父上。マリナ嬢と遊ぶのは後にして下さい。先に説明をします」
「ほーれ。・・・ん? そうだったか。ではマリナ嬢、グレゴリウスの元に」
私の受け渡しがなされます。母は穏やかに見守るのみです。昨日の説明で納得できたのでしょう。それなら、良かった。はてさて、どうなりましたかね。




