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のせてこっ  作者:
第一章 足に
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 ここは何処だ? 皇宮の庭なのは間違いない。今日、五歳児ばかり集められたのだ。第三皇子の友達作りとのことで、ご近所の子供は軒並み呼ばれたらしい。登録されている子供は全て。子供は特に用事は無いからなー。体調不良等の仕方が無い理由以外の欠席は、認められなかった。あーあ。参加はしたくなかったのに・・・。残念。

 子供ばっかり集めたので、どうしたって大人の目が届かない部分が出てくる。そこでちょっかいを出されたから、無言で離れたら、異物認定だ。誰だって分からないものは怖い。だからって、寄ってたかって色々してはいけません!! そのお陰で、追い掛け回されたり、何か投げられたりした。腹が立つ。子供相手に本気になる訳にも行かないので、逃げていたら迷った。しかも、母が色々遣り繰りして作ってくれたドレスも汚れたり、破れたりして傷んでいる。踏んだり蹴ったりだ。流石の精神年齢、四十余裕越えでも泣きそうだわ。やばい、本当に泣く。

 だから、来たくは無かったのだ。一人、家に残った母も心配だ。叔父にいじめられたりしていないだろうか。強制的に馬車に乗せられてしまって逃げようが無かった。荷馬車に投げ入れられるようにして、連れてこられた子も多いらしい。その子達はせっせと食事に専念している。大体、似たような子達でグループを作っていて、それに入れなかっただけなのに。擬態が上手くいかなかったなー。他に転生して精神年齢偽っている組とかあれば、そこに入れたのに・・・。

 あれこれ考えている所にガサゴソと庭木を掻き分けて黒いズボンを履いた足が現れた。助けだ! しゃがみこんで小さくなっていた私は、それっとばかりに左足にしがみ付いた。とりあず、ズボンで顔を拭かせて貰う。上手くいけば、迷子も解決だ。五歳なので、お化粧が落ちる心配はありませんので、御安心を。

 私に捕まえられた足の持ち主は一瞬硬直した。ごめんね。でも私、緊急事態。泣くの回避と迷子にご協力を!!


「何を載せているんだ?」


 おや? もう一人いたらしい。少し離れた所がまたガサガサして今度は白いズボンだ。白いズボンが黒いズボンに声を掛けたみたい。


「載っているように見えますか?」

「ああ。ってグレゴリウス! 足、足が持ち上がってるぞ!!」


 わーい。掴まっている足が持ち上がった。浮いたー! きゃっきゃっ。ズシーン、ズシーンという感じで歩いてくれないかな? 全く、白ズボンは何をそんなに驚いているんだか。五歳児くらい足の甲に載っけて持ち上げるくらい、訳ないでしょうに。ある程度の大人の男性で、声の感じからいくとそうお年寄りでもないんだからさ。失礼しちゃう。そんなに、重くないよ。憤慨しながらそんなことを言う二人の様子を見てみようと低い視界から顔を上げると、凄い、怖い、凄い、格好いい?、凄い、怖い、凄い。

 語彙、失ったわー。黒いズボンの人は全身黒い衣装で、黒紫の髪と赤と青の瞳で止めは、白い仮面(片側だけ!!←ここ、重要!!!)。仮面は黒でも良いんじゃないかな。それにしても、うーわー。凄いわー。こんな人いるんだなー。見たこと無かった、と言っても母と叔父以外の大人を見たのは今日が初めてだけれども・・・。格好良い人ではあるんだろうけど、顔というか頭部に色々持っていかれますわ。外見ばっかり、見てごめんね。でも、凄いインパクトだよ。普通の五歳児、泣くよ。

 そんな黒ズボンさんは白ズボンさんに片眉を上げて驚嘆を表した。思わず、敬称を付けるわ。これは、必要。でも様までは必要無いとは思う。

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