思い込み。駄目、絶対。
悲しい事に前回は、異世界転生物と認定されてしまったファッション雑誌です。
転移の方が近いですって?気持ちはわかりますが喋る本ですよ?
意思があるという事は生きているという事ではなくて?まぁ、異世界に転じて生を受けたって事で異世界転生と思わせてください。
いやしかし、騒動が起きてそこに対して突っ込んでと全く動きが無い(動けない)わけですが、ラノベ小説になったりでもしたらさぞ盛り上がりに欠けて読者の人とかすぐ飽きちゃいそうですね。先に読者の人に伝えておきましょうか……。
……。私の方がよっぽど飽きてますよ?この環境に。
…………。ごめんなさい。ブラウザバックは辞めてぇ。お気に入り登録お願いします。
とまぁ、独りごとでこんな事呟いてしまうくらいには暇をしている訳です。
さて、幻惑の魔術がかかってしまった疑惑のエトナさんは、あの後部屋から出ていってしまいました。高度に発達した化学は魔術と見分けがつかない。みたいな話を聞いた気がしますが、今の現状ってまさしくそれなんですかね?
もうちょっとカッコいい場面で使う言葉かなと思ってましたが、現実ってこんな感じなんでしょうか。
残った学者の方々は、隅々までよく観察してますが、何処か赤面してるんですよね。
悪魔の幻惑魔術にかかってますね。これ。目線、泳いでますよぉ?
と、心の中でニヤニヤしてたら喋り始めましたね。
「この、後ろの空間は、一体どこなんでしょう?」
モデルさんが映っている写真の背景を指さしながら疑問を投げかけてます。
幻惑魔術にかかりながらも仕事を全うしようとしている意気や良し。お見事。
「ふぅむ。確かに、私も見た事が無い景色ですなぁ。」
「私もです。魔族領はおどろおどろしい装飾が施された薄気味悪い所だと、風の噂で聞いた事がありますが、どちらかというとまるで正反対のようにも見えてしまいます。」
「見た事もない調度品の数々に、美しい空間。ですか。」
照明の効果ですねそれ。それに、撮影のセットはおしゃれなの多いですよねぇ。
「それに、この悪魔が封印されていると仮定した場合、この空間ごと封印し捕らえている可能性もあるんではないでしょうか?」
おうふ。封印に焦点が合うとホント変な方向に走っちゃうのね。
「そんな高度な封印など人知を遥かに超えていますぞ!」
めっちゃ驚いて、ちょっと声裏返ってますよ?確かに、今の人知は超えてるけど、封印じゃないんですよね。
「それに、封印空間に調度品をあしらう等、私には理解が……。一体、何のために……」
あぁ、頭抱えて崩れ落ちちゃったよ。大丈夫かな。変に魔術があるせいで、判らない事をなんでも魔術なんかで片付けるのはよくないと思うんだよなぁ。人知……ねぇ。まさか、人以外の種族であれば似たような事可能だったりするの?エルフとか?
「私にも、さっぱりです。何よりこれだけ多くの封印がされているにも関わらず、この魔導書からは魔力が一切感じられない。どれほど高度な隠ぺい術式が組み込まれているのかも判らない。」
崩れ落ちた学者さんの肩にそっと手を置きながら不安を共有するかのように話しかけてますね。そのまま一息つくと、天井を見上げて、
「初めてですよ。術式も何もかもが判らないだなんて……。大陸の5賢とまで言われたこの私が。はははっ。王になんと報告してよいやら……。」
コント、悪魔の証明。とか、そういったノリで話されてませんよね?深刻になりすぎて逆に申し訳なくなってきたんだけど。
んで、王様に報告かぁ。確かに調べてるんですもんねぇ。何も判りませんでしたって訳にはいかないのか。とはいえ、今の過程をそのまま王に伝えたら大事になりすぎて、こっちが封印されかねないのでは?
あれ、なんか展開ちょっと怪しくなってきた?君たちはホント大袈裟だなぁぎゃはは。とか笑ってる状況じゃないのでは……。