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第8話 バレンタインデー(中編)

今日は複数話投稿&キリが良いので今回は短めです。本編はちょっとお休み…。後書きにどうでもいい話載せてるので良かったらどうぞ。

紙袋の中を見ると、ラッピングされた小さな透明の箱が入っていた。中身は、


「チョコレート……?」



「はい…そうです……。」



箱の中身は、ピンク、緑、白、茶色の4色の生チョコだった。順に苺、緑茶、ホワイトチョコ、ミルクチョコといったところだろうか。いかにも()()()()()っぽいチョコに思わず他に何か()が無いか訝しんでしまう……



「……普通の手作りチョコですから。変な事はしてませんから。」



つい、顔に出ていたのだろう。さっきまで顔を赤くして俯いてた彼女がいつの間にかジト目でこちらを見ていた。



「あ、はい。…態々作ってくれたのかい?とても美味しそうだ。ありがとう。」



バレンタインデーは感謝の気持ちでプレゼントする人もいるし、きっと彼女もそうに違いない。日頃からかわれてばかりだが、彼女から何かしら感謝の気持ちを向けられているというのは嬉しいものだ。そんなことをしみじみ思っていたら、



「………それ、本命チョコです。先生のこと、ずっと好きでした。」



「ん?」



突然のことに頭がフリーズした。え、今なんと?




「え、ご、ごめん。君が俺に告白した様に聞こえたんだけど……いや、ごめん。気の所為だよね。バレンタインだからって自意識過剰だな…ハハハ…」



思わず、苦笑してしまった。そうだ、気のせいに違いない。彼女のような綺麗な子が俺なんかに…あー、仕事で疲れてるんだな。バレンタインだからって自分に彼女が告白してくるなんてありえないのに。



「その通りです……私は先生の事が好きです…!!!学生の頃から!嘘でなく、本気で!本気で……好きなんです…」




最初は前のめりで俺に告白してきた彼女だったが、途中から恥ずかしく思ったのか、最後の方は小さな声になりつつ、身を縮こませるようにそう言った。いつもの自信満々の彼女とは似ても似つかない、自信なさげな表情だった。




「ご、ごめん。君の事はそういう対象として見た事無くて…妹の様にしか思えて無くて……嬉しいんだけど…」



俺はあまりの事に頭の中がパニックになり、しどろもどろになりながらそう返した。まさか元教え子がずっと俺の事を本気で好きだなんて思ってなかった。学生の時の悪ふざけが続いてるだけだと…。



「妹……そっか…………わかりました!すみません、こんなこと言って!困らせてしまいましたよね?もう忘れて下さい。明日からもお会いすると思いますが、変わらずに接して頂けると嬉しいです。では!」



俺の返事を俯きながら聞いていた彼女は、急に顔をあげたかと思うと笑顔で早口でそう言って走り去っていった。一度も振り返る事無く、少し目元に涙を浮かべて。


「あ、……。」



俺は走り去る彼女に咄嗟に手を伸ばすが、彼女がそれに気付くことはなかった。気付いた所で、俺は何をするつもりだったのだろう。引き止めるつもりだった?………自分でも分からない。



その後も俺はただ、暗い夜道の中走り去る彼女の姿を、その後ろ姿が見えなくなるまで呆然と見ているだけだった。

【おまけ~リンと筆者の座談会~】

リン「アンジュ師匠の弟子のリンです!今日は座談会。初めての試みですねー。今回は筆者の豆狸ぽんすけさんをお呼びしています!」


豆「宜しくお願い致します(緊張)」


リン「ガチガチですね…(笑)そういえば、豆狸ぽんすけさんもバレンタインで告白したことあるんですよね?」


豆「え?始めっからそれですか?黒歴史抉りますね……ありますよ?奇跡的にも自分から告白する時って毎回バレンタインですよ?最終的には振られてるからもうバレンタインでは告らないんです…お酒!お酒頂戴!!久○田が飲みたい!!(泣)」


リン「どうやら触れてはいけないところに触れてしまった様子。豆狸ぽんすけさんが暴走したの今日はでここまで!……ちょ、勝手に冷蔵庫漁らないで…!!」

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