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第4話 再会 (リム先生視点)

そして、新学期の入学式を迎えた。規格外な元生徒と規格外なその弟子を迎えた高等部はこれからどうなって行くのか、俺は不安でしかない。


そんな事を思っていたせいだろうか。懐かしい元生徒が俺の元へやって来た。生徒の時も綺麗な子だと思っていたが、より一層大人びて魅力的になっている。彼女の事を知らない男の先生方は彼女の事が気になるのかチラチラこちらを見ている。


「リム先生!お久しぶりですわ!」


「アンジェリーナ様、お久しぶりですね。他の先生方やリンさんから、貴女が医療科の臨時講師として雇われたと聞いてますよ。これからは()()()()()()()宜しくお願いしますね。」


……もう、二度と周りから「ロリコン教師」とか呼ばせない。もう彼女も大人だ。あの頃の様に巫山戯た真似はせず、同じ講師の先輩と後輩として接してくれるようになるだろう…いや、なってくれるよね?お願いしますよ、本当に。


「こちらこそ、これから()()()宜しくお願い致します。ただ、先生?もう()()()()()()()()()()()()()()のですから、『アンジュ』と呼んで下さいな。」


「…分かりました。アンジュ先生。アンジュ先生は医療科の臨時講師と聞いているので会う機会もあまりないと思いますが、困った事があったらいつでも相談して下さいね。先輩として相談に乗りますから。」


彼女の「末永く」という言葉と「先生と生徒という関係では無い」という言葉に圧を感じだが…気の所為だろうか?つい、彼女が学生の頃の感覚で接してしまったかもしれない。もう彼女は大人なのに。


それに彼女が貴族の娘であるが為に「アンジェリーナ様」と言ってしまったが、今は同じ講師としては後輩にあたる訳で、元はと言えば教え子だった訳だし愛称で呼んでもおかしくは無いだろう。


また臨時とは言え、新米講師で不安も大きいであろう彼女には年上の相談相手も必要だと思ったし、いつでも頼って欲しいとも思った。


すると彼女は何故か顔をそっと俺の耳元に近づけ…


「ありがとうございます。ダーリン♡愛してますわ♡」


…という言葉の爆弾を俺の元に残し、走り去って行った。


**************


後から同僚に聞いた話だが、彼女が走り去った後の俺は恥ずかしさで顔が赤くなったり、またあの頃の再来かと真っ青になったり、顔色がコロコロ変わって面白かったらしい。……俺は全然面白くない!


また、彼女の学生時代を知っている魔術科講師陣は、「嫁が帰ってきたのぉ…ホホホ」とか「やはりロリコン教師か」とか「お、リム先生!嫁が帰って来てよかったな!」とか言ってるし、当時の事を何も知らない講師陣(特にアローン会のメンバー)は「ドウイウコトダ?」と言わんばかりに、俺に対して殺気を飛ばしている。


アローン会トップであり、魔術科で闇属性について教えているノーチ先生からはすれ違いざまに、「後で緊急幹部会議だ。まさか裏切り者がいたとは…」と言われた。


俺は彼女の最後の言葉に「またあの頃の悪夢が蘇るのか…」と戦々恐々しつつ、また仕事後に行われるアローン会の緊急幹部会議で何と言い訳するか考えつつ、その日の仕事に励むのだった。


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