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クアのステータス

心配になりクアのステータスを確認する。


 名前 : クア

 種族 : スライム

 年齢 : 2ヶ月

 HP : 28/28

 MP : 9/9

7属性魔法 :火(13)・風(8)

スキル :強酸・魔石結合


「あれ?クアって魔法使えるの?」


『ううん、つかえないよ?』


「?でも、火と風の魔法が使えるみたいだよ?」


『?ぼく、まほうつかえるの?わーい!』


クアは無邪気に喜んでるけど、どういうこと?

あー、なんで契約した時にステータス見なかったんだろ…。ちゃんと見とけよな、私!

うーん、多分魔石結合ってスキルが関係してるよね?

えっと、とりあえず鑑定っと…。


魔石結合・・・食べた魔石の魔力の一部を自身の魔石に取り込み、取り込んだ属性の低級魔法が使えるようになる。使用回数は、魔石1つにつき5〜10回分。魔法を使うと、取り込んだ魔力を消費するため使用回数は減るが、同じ属性の魔石を取り込めば加算されていく。


……えーと。固有スキルじゃないってことは、これはスライムなら普通のスキルなのかな?

低級とはいえ、魔石を食べて魔法が使えるようになるなら、スライムって思いの(ほか)手強いんじゃない?


確かあの日は魔物が3匹いたから、食べた魔石は火属性2個、風属性1個ってことかな?


うーん、でも、クアはなんで魔法を使えるって分からなかったんだろ?

魔石を食べた日からこの状態なら、気づきそうな気がするけど…。


「ねぇ、クア。本当に魔法が使えるようになったの知らなかったんだよね?」


『?うん、さっきしったよ。』


「えっと、じゃあ。魔石を食べた時に違和感?みたいなのはなかったの?」


『たべたとき?えーとね…。……あ!なんかね、からだのなかが、ぽわ~ってなったよ!」


ぽわ〜、か…。魔力を取り込んでる時かな?

うーん、何かこう、○○が使えるようになりましたー!みたいなお知らせ的なのはないのかな?

……いや、ある方がおかしいのか…。ここはゲームじゃなくて、現実だもんね…。

それに…。


「クアは、魔法を使えるスライムがいるって知ってた?」


『ううん。しらないよ。』


「じゃあ、自分のステータスは分かる?」


『?すてーたすってなに?』


…だよねー。

 

「えっと、ステータスっていうのは、…そうだな。自分の体力とか、魔力量が分かったり、使えるスキル…技が分かるんだけど、クアは自分がどんなこと出来るかとか分かる?」


『ううん。わかんないよ。』


考える間もなく、クアは首…というより体を左右に振り答える。


やっぱり、ね…。鑑定がないし、そんなものなんだろうな…。


憶測だけど、魔法を使える魔物は、親や同じ種族の魔物が魔法を使うのを見ていた。もしくは、教えていたんじゃないかな?

同じ種族の魔物が使えてるなら、自分も使える!って感じで、覚えたり。


でも、スライムの場合は、魔石を食べて魔法が使えるようになるわけで。 

…いや、もしかしたら、これから自分の魔法が使えるようになるかもしれないけど…。

まぁ、それは置いといて!クアのステータスを見る限り、スライムは弱い魔物で、そんなスライムが簡単に魔物を倒したりは出来ない=魔石を食べることは出来ない。


運良く魔石を見つけて、食べたとしても、クアみたいに気づいていないスライムもいるだろうし、仮に気づいたり、何かの拍子で魔法が使えても、魔石を食べたからだって分かってないかもしれない。


まあ、クアはまだ産まれてそれほど経ってないし、教わらなかっただけで、実は魔法を使えるスライムと接触してた可能性は無きにしもあらずだけど…。


あー、何が言いたいんだろ…。つまり、知ってるか知らないかで大きく変わるってことだね。

もし、クアが最初から知ってたら、すぐに魔法が使えるって分かっただろうし、知らないままだと、一生気づかない可能性もある。


ま!今回は結果オーライだね!クアの戦力増強になるし、自分の身が守れるようになるなら、少しは安心出来る。


「よし!クア、試しに魔法使ってみようか?」


いざって時に使えないと意味ないからね。練習はしとかないと!


『うん!……どうやってつかうの?』


「えっと…。それじゃあ、私がやってみるから、真似してね。」


火属性の低級といえば、ファイヤーボールかな?


まずは、土の的を作り、外れた時のために的の後に壁を作っておく。


それから、手の平程の火の玉を作り、クアに見せる。


「クア、これと同じ物作れるかな?頭の中でイメージしてやってみて。」


『はーい!』


『うーーん。』と声を出し、頑張ってイメージしているようだ。

なんだか微笑ましい。


集中を途切れさせないよう、頑張れ!と心の中で応援していると、クアの目の前に火の玉が現れた。


『わぁ!出来たよ!』と、クアは跳び跳ねながら喜んでいる。


「やったね!じゃあ、次は的に当ててみよっか?」


「こうやって」と、出していた火の玉を投げて見せる。


『分かった!』


そう言い『えいっ!』と、投げる仕草をすると、火の玉が前に飛ぶ。

的の中心からは少しはずれてしまったが、見事命中。


『わーい!当たったよ!』


「うん!すごい、すごい!」


と、クアを高い高いしながら一緒に喜ぶ。


ひとまず、ちゃんと魔法が使えるって分かったし、安心かな?


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