迎え。
私は一応大人だと分かり、子ども扱いがなくなる、かと思えば…。
「まぁ15歳なんて、僕たちからすれば、まだまだ子どもだけどね。」
とキトに言われ、年を聞くと、見た目20前半なのに218歳だそうだ。
200歳以上上なんて!!
この世界は見た目で年を判断出来ないのか!?
ちらっとラーナを見る。キトの姉ってことは、もっと上ってことだ…。
あ、目があってしまった…。
へらり、と笑う私。女性に年を聞くのはやめておこう…。
と、何だかんだ3人で話ていると、いつの間にか時間がたっていたようで、迎えがやって来た。
来たのは、まさかの魔王様&ベトラーだ。
魔王に気づいたラーナとキトは最上級の礼で迎えている。
私は立ち上がり、魔王に近寄って軽く頭を下げた。
「魔王様が迎えに来てくれるとは思っていませんでした。」
「探す手間がないからな。」
??どういう意味だろ?
「えっと、私の居場所が分かるってことですか?どうして…。」
「魔石だ。」
……え、説明終わり!?
誰か、魔王の代わりに説明を!
と思っていると、ベトラーと目があった。
少し不快そうな顔をされたけど、言いたいことが分かったのだろう。意外にも説明してくれるようだ。
「貴女が持っている魔石は陛下の分身の様な物です。貴女がどこにいようと陛下には分かります。…例外はありますが。」
つまり、ずっと見張られているってことか。
まぁ、流石に何をしてるか見えるわけではないだろうし、位置くらい知られても問題ない。
それにこの城、広いから迷いそうだし。
「もし迷子になったら、迎えに来てもらえますね。」
そう言って笑うと、私の言葉が予想外だったのか、さっきまで不快そうな顔をしていたベトラーが、きょとんとしていた。
あれ?変なこと言った?
「ふっ、そうだな。だが、こちらにいる間は誰かをつける。迷うことはないだろう。…それでも迷ったなら、私を呼べばいい。」
魔王はかすかに笑い、心配ないと言ってくれた。
見つめられ、なんだか照れくさい…。
そしてそれは、ベトラーが我に返り、1つ咳払いをするまで続いた。
「ゴホン。では、そろそろ参りましょうか。」
ベトラーの言葉に魔王の視線が外れ、ほっとした。
魔王はよく私を見ている気がするけど、なんでかな?
そんな疑問を抱きつつ、ベトラーが先導する後を追い、しばらく歩くと1つの扉の前で足を止める2人。
ベトラーが扉を開け、魔王が先に入り、私はベトラーが入るのを待っていた。
…のだけど、扉を開けたままベトラーは動こうとしない。
ちらっと伺うと、さっさと入れ、と目が言っていたので、先に入り、部屋を見渡すと、中には円卓があり、ほとんど見知った顔が席についていた。