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あの子たちは?

「主な話は以上ですね。質問などありますか?」


うーん、そうだな……。


あ!!あるじゃん!大事なこと!


「あの子たち…私が契約してた子たちはどうなりますか?」


そうだよ!ステータスに表示されてたじゃん。


「どうとは?」


「え?…私と一緒に[リーリシア]に行くことになるのか…です。」


「はい、一緒で大丈夫ですよ!」


シアは笑顔で頷いているけど、私は素直に喜べない…。


「でも、あの子たちには、ゲームの世界が現実で、私の事情に巻き込むのは…。迷惑なんじゃ…。」


あの子たちはゲームのキャラクターだ。

でも、私と一緒に行けばゲームと違い、あの子たちも現実として生きることになる。


そう、生きているのだ…。もちろんゲームと違い、自我もあるだろう。道連れにした私を、あの子たちがどう思うかは分からない…。


「不安なのですね…。では、聞いてみてはどうでしょう?」


「え?…聞くって…」


「自分で選んでもらえれば、シズクさんの不安もなくなるでしょ?早速、喚びましょう!」


シアさん、名案だ!と満足そうです…。


「どうやって…。」


「名前を呼んでみてください。そうすれば、応えてくれるはずです。」


「名前…。」


私は覚悟を決め、みんなの名前を呼ぶ。


「フローラ…、ウィーナ…、スピネル…、ベリル…、ナイト。」


言い終えると、私の背後で眩い光が…。振り返ると、皆がそこにいた。


イスから立ち、彼らと向き合う。なんだか泣きそうになった。

私の好きなゲームのキャラが…いや、私が愛した子たちがそこに居るのだ。


「さぁ、シズクさん…。」


シアにたくされるが、言葉が出ない…。


「ゆっくりで大丈夫ですよ。(わたくし)たちはいくらでも待ちますから。」


そう言ったのは、フローラ、目を細め優しく私を見ている。


「ありがとう…。」


私もフローラに笑い返し、深呼吸…。


「私は違う世界に転生することになったの…。似た世界だけど、あなたたちがいた世界とは違う…。だから、自分で決めて欲しい。私と一緒に行って、現実として生きるか…。契約を解除して元の世界に戻るか…。」


「一緒に行きます!!」


と、間髪容れず言ったのはスピネルだ。あまりにも早い返答に、一瞬ポカンとしてしまった。


「…え?え!?もっと考えた方が…。」 


「考えても答えは同じです!!」


え?ホントに大丈夫なの…。異世界だよ?何があるか分からないんだよ?もっと考えていいんだよ?…一緒に来てくれたら嬉しいとは思っていたけど、早すぎる返答は嬉しさより心配が先に出てしまう。


目に見えてオロオロしていると、「ふふっ」と小さく笑う声がした。見るとフローラが口元に手を当て微笑んでいる。そして目が合うと静かに、でも意思は固いと分かる声で答えた。


「私もです。あなたが行く所なら、どこにでもお供します。」


それに続くように、今度はウィーナが腕組をし、ツンとした態度で答える。


「仕方がないから一緒に行ってあげるわ!…ほんとは行きたくないけど、仕方なくだからね!」


フンッ!と顔を逸らし、一見不機嫌そうに見える。でも、私の様子が気になるのか、視線をチラチラ向けて来る。これは……生ツンデレだ!

と、内心妙にテンションが上がってしまった。…落ち着かないと、と深呼吸し平静を保つ。


(わたし)もあなたと共に。」


次に答えたのはベリル。まるで紳士のように、胸に手を当て上品にお辞儀をする。


「俺もだ。」


そして最後はナイト。目が合うと「大丈夫だ。」というように力強く頷く。短い一言だけど、意思は伝わった。


答えを聞いて、みんな来てくれることに、嬉しくて泣きそうになる。


「シズクさん、よかったですね♪」


シアも一緒に喜んでくれ、泣き笑いしながら、私はみんなにお礼を言う。


「うん…、みんな、ありがとう…。よろしくね!」


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