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到着

家を出て約1時間。

途中にあった、珍しい薬草などを採取しながらだったので、時間がかかったけど、湖の端が見えて来た。


相変わらず、太陽に照らされ水面はキラキラしているけど、それだけではないようだ。


湖から突き出ているもの、湖近くの地面にも、大小様々な宝石のように輝く魔石がいくつも見える。


「すごい…きれい。」(ダリアナ)


「…これ、全部魔石か?」(ガルム)


「湖の中にも…。これほどとは…。」


ルークに続き、湖を覗けば色とりどりの魔石が…。だけど…。


「闇の魔石がない?」


黒い魔石は見当たらない。

キョロキョロと辺りを見回すと、森の奥に洞窟らしき穴が見え、なんとなく気になり1人で近づく。


洞窟の入り口前で足を止める。洞窟は大きくて、ドラゴンでも問題なく入れそうだ。

ジッと中を観察するが、見えるのは入り口付近の日が当たる所までで、奥は暗くてよく見えない。


しばらく立ち尽くしていたが、中が気になり、引かれるように一歩踏み出した。


「それ以上近づくな!!」


と、男性の怒鳴り声が聞こえた。


ビクッ、と動きを止め、辺りを見回すが誰もいない。


「……誰?」と警戒しつつ聞いたが、答えは返って来ない。


どうしようかと迷っていると。


「シズク?どうかしましたか?………離れましょう。洞窟に入ってはいけません。」


何かに気づいたのか、フローラは私の手を引き、湖に戻る。


湖に戻ったのに、フローラは手を離そうとしない。


怒っているのだろうか…。

不安になり、恐る恐る声をかける。


「…フローラ?」


「シズク、洞窟には近づかないで下さい。」


フローラにしては珍しく、張り積めた空気をまとっている。


「?どうして…?」


「洞窟から強い力を感じました。……シズクは光魔法を使えますが、洞窟に入っていれば、精神などに影響を受けたかもしれません…。」


危なかったらしい…。誰か知らないけど、止めてくれてよかった。


「フローラ。さっきね、誰かが止めてくれたの。誰だったんだろう?」


「?…あぁ!闇の精霊王ですね。おそらく、闇の魔石を管理しているのでしょう。」


さらっと言うフローラにこっちはビックリだ。


「え!?精霊王!?……どうしよう、お礼しないとって思ったけど、王へのお礼って何にしたらいいのかな!?」


「ふふっ」


慌てる私に対し、フローラは笑みを浮かべる。


よかった。いつものフローラだ。


「あれ?でも、なんで精霊王って分かるの?こっちと向こうの世界は違うよね?」


「はい、私たちの世界とは違う王ですが、こちらの世界に来てすぐに、王たちとお会いしました。」


「え!?私知らないよ!?」


いつの間に!?


「シズクは眠っていたので…。それに、妖精や精霊と同じく、王たちも人に姿を見せることを嫌うので、あの時シズクが起きていれば、会うことはなかったでしょう。」


「そうなんだ…。なら、お礼どうしよう?」


会えないのは残念…。でも、助けてもらったし、お礼はしたいな。


「お菓子はどうです?シズクのお菓子は妖精たちも好んでいますし。」


「え?妖精?私こっちで見たことないから、あげたことないよ?」


「ふふっ、クッキーなど数が出来る物を作った時に、こっそり持って帰っているんですよ。」


知らなかった…。甘い物が好きなのかな?


「なら、次から妖精たちの分も用意しようかな。」


「えぇ、きっと喜びますよ。」


フローラと話終え、もう一度洞窟に向かう。精霊王にはアイテムボックスに入れておいたお菓子をかごに詰めて渡す(置いておく)ことにした。


「ありがとうございました。口に合うか分からないけど、よかったら食べてください。」


洞窟に向けお礼を言い、その場を後にする。


途中、一度振り返ると、かごは消えていた。受け取ってくれたみたいだ。

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