解体?
スピネルは、まだガルムを警戒しているようだけど、とりあえず一段落。
「シズク、獲物はどうする?」
「あ、そうだ!ちゃんと取って来た!」
ナイトが言ったことで思い出したのか、スピネルが私の前にお座り。褒めて欲しいと期待に満ちた目で私を見ている。
クスクス。
微笑ましい光景に、笑いながらスピネルの頭を撫で、感謝を伝えた。もちろんナイトにも。
「スピネル、ありがとね。ナイトもありがと。お疲れ様。」
「あぁ。」
スピネルは尻尾をブンブン。それに比べ、ナイトはクールだ。
「なんだ、狩りに行ってたのか?」
「はい、残りが少なくなって来たので。」
「へぇー何取ったんだ?」
そういうと、ガルムはナイトの元に行き、ナイトと共に外に出た。
私も後を追い、外に出てびっくり!
そこには、氷づけにされた動物と魔物。全部で5匹いるようだ。
「仮死状態にしてある。どうすればいいんだ?」
どうするって?
聞かれた意味が分からず、私は首を傾げた。
理解していないことが分かったナイトは再び口を開く。
「このままにしておく訳にはいかないだろ?」
つまり、この魔物たちをボックスに入れればいいのかな?
なおも悩んでいる私に、ガルムが信じられないと言いたげな目を向けている。
「…嬢ちゃん、まさか解体したことないのか?」
解体?…え!?解体!?なんで!?
…って、そうだよね。ゲームと違って一瞬でお肉にはならないよね…。
でも、やり方知らない…。
「…ないですね…。」
「マジか!?今までどうしてたんだ!?」
「えっと、切り分けられているものを買ってました。…私がいた国では、一から解体出来る人は多くないと思います…。」
「なら、狩った後は誰かに頼むのか?」
「いえ…。狩り事態する人は多くないので…。」
「どんな世界だよ…。こっちじゃ、ガキでも出来るやつはいるぞ。」
「…あちらのすべての人がというわけではありません。…少なくとも、私がいた国では、お金があれば大抵の物は買えましたから…。」
今だ信じられないという表情のガルムに、私は困って苦笑するしかない。
そこに、レグルがやって来た。
「ガルム、住んでいる場所が違えば生き方も違うものだ。…それに、こちらの世界でも、出来ない者はいるだろう?。」
「それは、そうだが…、嬢ちゃんは貴族とか、金持ちだったなのか?」
「いえ、一般庶民です。」
納得いかない、と言いたげな顔をしている。