帰って来た。
ベリルの機嫌も治り、魔族の人たちと、少し打ち解けて来た頃。
スピネルとナイトが戻って来た。
ガチャ…、バン!
「ただいま!!………誰だ。」
「ただいま。」
「あ、お帰り。えっと、魔王様ご一行だよ。」
勢いよく戸を開け元気に入り、知らない顔に警戒するスピネル。冷静に帰宅のあいさつをするナイト。
「そういえば、後2人いるっていってたわね。」
「はい、狼がスピネル、豹がナイトです。」
「お!狼か!仲間だな!!」
ダリアナの呟きに2人の紹介をすると、ガルムがスピネルのもとへ近づき肩を組もうとした。…が、スピネルはそれを避け、狼の姿になり威嚇。
「バカ…。さらに警戒させてどうするのよ。あんたはいつも考えなしなんだから。」
「なっ!こいつがビビりなだけだろ!」
「いや、今のはお前が悪い。警戒している相手にいきなり触れようとするな。」
リズは呆れ、ガルムが反論。しかし、レグルにも言われ、ガルムはレグルを睨む。しばし2人の睨み合いが続く。(レグルはただガルムを見ているだけ。)
いつまでやるのか、と周りからの呆れた視線にガルムは根負けした。
「あーわかった!俺が悪かった!…あーすまなかったな。」
「………」
頭をガシガシかき、謝るガルム。
しかし、スピネルはビビりと言われ根に持ったのか何も言わない。
子供のケンカを見てるようだ。と、苦笑する。
仕方ないな…。
「スピネル、謝ってるし許してあげなよ。」
「……わかった…。」
私に言われ、渋々謝罪を受け入れたスピネル。
まったく、世話のやける子だ。