会議の後
魔王が去った後。
「女神様がリシアの森にヒューマンを住まわせるなんて、余程の事情があるのね。」
ダリアナ。
「で、なければ聖域に住まわせはせんだろう。加護もな…。」
ダン。
「ドラゴンたちは、そのヒューマンを見に森に行った、ということか…。」
レグル。
「そんなに気にすることか?」
ガルム。
「バカね…。女神様がそこまでして守る存在よ?それに、加護を与えられた者がいるなんて、聞いたことがない…。」
リズ。
パンッ、パンッ、ベトラーが手を叩き注目を集めた。
「皆、一度落ち着け。陛下と共に行く者を決める。希望者は?」
「は〜い。行きたいわ!」
最初にダリアナが手をあげた。
「リシアの森に入れる機会なんて、ないもの。それに相手は女性なのでしょ?女の私がいた方が警戒されないわよ!」
ベトラーは1つ頷き、リズに視線を向けた。
「なるほど…。リズ、君も行ってくれ。ダリアナが行くとなると魔族の女性、というものを誤解されるかもしれない…。」
「分かった。」
それにリズはすぐさま答える。
「どういう意味よ!!」
ベトラーとリズの会話にダリアナは不満そうだ。
でも、相手にされず、話は進む。
「他には?」
「では、私も。異界の者なら、私どもと違う知識を持っているでしょう。役に立つかもしれません。」
ルークが企むように笑う。
「俺も行ってみるか!」
「ガルム、遊びじゃないのよ?」
「わかってるよ!!」
ガルムは面白そうだ。と手を上げ、リズに窘められる。
「俺も行こう。」
レグルが立候補したところで、ベトラーが頷き、それぞれに目を向けた。
「では、この5人に行ってもらう。各自、準備をしておいてくれ。」