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迷子?

死んだ?…俺が?

ここに来る前……確か……俺は……


そうだ!確か帰ろうとして…果たし状を……

「…あ」


「思い出しました?」

あぁ…そうだよ。

何で忘れてたんだ。

忘れられるわけがないのに。

まだやりたい事も、見たいものもあったのに…

紺野さんに無理心中させられたんだから…


「忘れらんないよ…」

フッと死ぬ直前の記憶がよみがえる。

掴まれた手、引っ張る力、潜った遮断機、踏み越えた線路、振り返った紺野さんの満面の笑顔、鳴り響くブレーキ音…当たった時の一瞬の激痛も忘れない…。

忘れられない。



「…すいません。」

…あっ…みたいな顔して謝るゴブリン。


「気にすんな、仕方なかったんだ。少し気が滅入る事もあったがここに居るってこ事はまた生まれ変われたりできるんだろ?」


「あ、はい。そう……何ですけど…」

言葉を濁すゴブリン…


「…何だ?問題でもあったのか?出来れば同じ世界の同じ国に生まれ変わりたいんだけど…」

…もう生まれ変われないとかないよな?

嫌だぞ。

俺は今度こそ新作のクロモンをやるんだ!

買ってからずっと楽しみに開けずに取っておいたのに……出来ず終いとか…マジツラタン。


……それもコレも全部!!紺野のせいだけどな!!

誰だよ!『誰にでも優しい』だなんて言った奴は!!

殺されてんじゃねーか!優しいっていうベクトルじゃねーよ!

「いえ!あの…貴方は僕の担当じゃないんです。というか…落ち着いてください?」


………何?…神様に…担当とか…あんのか?

俺の知ってる中じゃこういう所にいる神って1人じゃないっけ?(汗)

担当って…何人いるんだよ…。

ってか俺!ちゃんと生まれ変われるよな!?

「…そ、…そうか…。」

…何言ってんだ俺ぇぇ!!

もっと聞かないといけない重要な事あんだろが!


「すいません!言い方悪かったですね!とりあえず本当、落ち着いてください!」


「…な…何言ってる。俺は落ち着いてんだろが。お前が落ち着け?」

とりまさっきからゴブリンうるさいし、目の前のゴブリンがすっげぇ揺れてて喋りにくい…。

「落ち着いてる人は膝が笑ってたりしませんよ!しっかりしてください!!」


ホントだ。骨が折れるんじゃないかってくらい笑ってるわ。…膝…超笑ってるわ。

生まれて初め……………死んで初めて?だわ。

あっ…何か胸にツンときた!



「えーと、あのですね…この空間は本来死者が招かれる客間の様なものなんですが、貴方は此処に来るはずがないんです。本当ならここに来てはいけないのです。」


「どういう事だ?…それは担当とやらも関係あるのか?…」


「はい。この空間は貴方からすると異世界の死者が集う、生まれ変わりのための空間なのです。貴方は地球という世界の死者が集う、お隣の空間にいなくてはいけないのに何故か…ここへ来てしまっている…」


真剣な顔して真面目な事言ってるが…見た目ゴブリンのままだから…。結構笑い堪えるの必死なんだけど…気づかれてないよな?

ってかさっきから俺の精神情緒不安定ッ!!!



「という事で…お隣にお送りしますよ。…あと笑い事じゃないですよ?」

…優しく微笑む…ゴブリン…。

もう……駄目だ…

「ぶふぅっ…」

「えっ?」

キョトン顔しやがった!

「その顔やめろ!ビニールかぶってくれ!腹が…腹が捩れる…ぶはっ…あはは」


「ひ…酷い…。」

やめてぇ!!ほんと…しぬっ…笑い死ぬ!!過呼吸起こしてるからァ!!!

「ほ、っホントに…ビニール被るか何かしてくれっ!ブハッ…」


「え……えぇ…」

……真顔ですっげぇドン引きされてんだけど……。

解せぬ。



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