6話 初邂逅
「おい! 起きろ! いい加減目を覚まさないか! いつまで寝てるんだ!」
「うーん……」
「起きろ!」
まだ眠いが目を開けるとそこには白髪のガタイのいい白髪混じりのおじさんの顔が目の前に。
「うわっ!(寝起きにガタイのいい親父とか勘弁してよ……
目はしっかり覚めるけどさ、テンションも寝起きで冷めるわ。)」
「やっと起きたか、俺はクロムって町医者だが、お前さんストラス高原なんかで何やっとたんだ?
あんな人もモンスターも近付かない場所で。」
「ストラス高原? なんですかそれ?(それより安っちいベッドだな‥うちの布団より材質悪いよ……)」
助けてもらっていて、まず愚痴を言うのが残念過ぎる性格である。
「何も知らないであんなとこ居たのか? お前さんどっかの田舎者か? あの場所はストラスって危険指定のモンスターが地中に沢山いる場所だよ。
昼間は普通の高原だが夜になると地中から這いずり出てくるから人間だけでなく、モンスターすら近付かない場所だぞ?」
(は? まじか……そんな所に俺いたの!?)
「昼間は極稀に薬草を取りに行く人間はいるが夜には絶対に近付かない場所だぞ。
朝方に俺が薬草取りに行こうとしたら、倒れて居たからとりあえず家に連れてきたんだが。」
(とりあえずお礼言ってこの世界の事聞き出さないとだな。)
「あ、ありがとうございます。
自分は夏原はじめっていいます。
気付いたらあそこに居て、軽く寝ていたらモンスターに襲われて食べられ気を失いまして……」
「はっ!? 食べられた!? ストラスに!?」
「ストラスってモンスターかは分かりませんが恐らくそのモンスターだと思います。
地中からうにょうにょと出てきて2mくらいの物体でした。(そういや俺食べられたんだよな……食べられてから気を失ったから記憶にないんだよな。)」
「ワハハハハ!! あそこにはストラスってモンスター以外はいない特殊な場所なんだよ。
そこで食べられた動物や人間、モンスターは骨も残らないはずなんだが……お前さん余程運が良かったか不味かったかな?」
(やたらとこの親父苦笑いしてるけど、笑い事じゃないし、初対面の人に向かって不味かったって失礼過ぎない?)
「とりあえず助けて頂いてありがとうございます。
もし、良ければこの世界の事を教えてくれますか?」
「は? 世界? お前さんこの世界の人間じゃないく異世界人か?」
(え? この世界では異世界人はポピュラーなの?
俺はレアキャラ的なポジションではないの?)