5話 エンカウント
ザザザ……ザザ……
「う〜ん、なんだよぅ〜」
まだ眠いが瞳を開けて、はじめは周りを見回す。
そこには白い蛇のようなデカいミミズのようなものが地中からうにょうょとでてきていた。
その数ざっと10匹はいるだろうか。
「うわっ! きもっ! なんだこれ!?」
すぐさまバッと身体を起こし距離をとる。
(なんだこれなんだこれなんだこれ‥初のエンカウントが触手とかどんな世界だよ。)
と思ったのも束の間、地中からボコッボコッとその身体を露わにする。
大きさ的には2mはあるだろうか、植物なのか動物なのか見当もつかないモンスターが現れた。
「あ、やばい、これ死ぬやつだ……」
(むりむりむりむり! 装備は何も持っていません状態で戦えるかよ!? 現状装備布の服とかだぞ!?
……いや、待てよもしかしたらこの世界は転移して来たくらいだから俺無双展開あるんじゃないの?)
その浅はかな思考を胸に殴り掛かる。
全く効果がないようだ……
むしろ殴った手の方が痛い。
「よし、勇気ある撤退だ!」
脱兎の如く逃げようとしたもののすぐさま足を絡め取られふわりとその身体が浮き、モンスターの大きく開いた口の様なものの中に入れられてしまう。
(まじかまじか! 異世界来てすぐ詰むとか無理ゲー過ぎだろ!)
そこで意識はプツッと切れた。